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習近平「続投」だけじゃない 中国の未来が読み取れる「共産党大会」5つの注目点

Reading CCP’s Big Meeting

2022年10月12日(水)17時08分
シャノン・ティエジー(ディプロマット誌編集長)
中国共産党政治局常務委員

現在の政治局常務委員(左から韓正、王滬寧、栗戦書、習近平、李克強、汪洋、趙楽際。17年10月) JASON LEEーREUTERS

<習近平が党総書記を続投するという路線は揺るぎないが、それ以外のトップの顔触れは10月16日の共産党大会まで霧の中。党主席制の採用や若手登用はあるか?>

中国最大の政治イベントである第20回共産党大会が10月16日に開幕する。5年に1度の党大会では党総書記が後継者を指名するのが近年の慣例だが、前回の党大会では現在の党総書記・習近平(シー・チンピン、党の役職とは別に中国の国家主席の肩書も持つ)はそれに従わなかった。

今回の党大会では果たして後継者が指名されるのか。前回大会が閉幕した2017年10月24日以降、さまざまな臆測が飛び交ってきた。

党大会の最後には国内外の注目を集める重要なセレモニーがある。一党支配の中国では共産党の最高意思決定機関である党政治局常務委員会が「国家を領導する」最高指導部の役目を果たすが、その新しいメンバーが序列順に演壇に上がる顔見せ儀式が党大会のフィナーレを飾ることになっているのだ。

それ以外にも過去5年間の党の実績を総括した長大な活動報告が発表されるなど、注目すべき事柄は盛りだくさん。近年の党大会の例に漏れず、第20回大会も中国の今後を占う上で重要な示唆を与えてくれるはずだ。

ここでは指導部の人事交代に焦点を絞り、注目すべき5つのポイントを紹介する。

◇ ◇ ◇


1. 習は最高指導部にとどまるか

答えは当然「イエス」だ。疑問の余地はない。だが、それが意味するものは分析する価値がある。習が3期総書記を務めれば、いくつかの点で近年の慣行を破ることになるからだ。一番明らかなのは、これまで守られてきた暗黙のルールが無効になること。それは総書記の任期を2期10年までとするもので、指導部が長老支配に陥ることを防ぐための不文律だった。

ちなみに習は現在69歳。これまでは党大会の開催時点で68歳以上の常務委員は引退するのが常だった。

習が権力の座にとどまることはほぼ疑う余地がないとして、常務委員を退いても党のトップの座を維持できる方法はある。かつて毛沢東が就いていた「党主席」のポストを復活させ、その地位に就くのだ。そうすれば常務委員を外れても、常務委員会を取り仕切れる。

中国政治研究の第一人者であるアリス・ミラーがこのシナリオを論じている。「この体制下では、習近平は復活されたポストである党主席に就任し、自分よりも若手の人材を党総書記に据えるだろう」と、ミラーはみる。

「党主席となった習は、政策の俯瞰的な構想や指針を示す政治局常務委員会を牛耳り、中央軍事委員会主席の座にもとどまる。一方、新任の党総書記は政策の実施や推進を担当する党中央書記処を率いることになる」

ただしミラーが指摘しているように、この特例的なシステムは過去2回採用されたが、2回とも党主席と党総書記の「見解が衝突し」、二頭体制は破綻した。従って習はこの制度を選ばないかもしれない。

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