最新記事

サイエンス

折り紙あそびで「宇宙技術」に触れる 手軽だけど本物の科学が体験できる「実験集」

2022年8月16日(火)18時00分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
折り紙

Hakase_/iStock

<夏休みの自由研究に頭を悩ませているのは、ひょっとすると子どもより親のほう? 大人も楽しみながらできる「実験」が、子どもの無限の可能性を広げる>

2007年に発売された初代iPhone。「音楽再生、携帯電話、ネットワーク通信」がたった1台のデバイスでできると、世界中が湧き上がった。この新製品の誕生を発表したアップルCEOスティーブ・ジョブズのプレゼンは、伝説となっている。

今では私たちの生活になくてはならないスマートフォンだが、「1人1台持ち運べるコンピュータがあったらいいな」という、ひらめきがなければ生まれなかったはずだ。そこに、多くのテクノロジーが投入された結果が現在の形である。

世の中の進歩は早い。身の回りには新しいテクノロジーがあふれている。一方で、将来への課題は残されたままだ。これからの時代は、そのような課題や問題を新しいテクノロジーで解決することが求められている。われわれ大人世代ができるのは、未来を生きる子どもたちに思考力と創造力を授けることだろう。

子どもたちに、世の中にあふれる新しい技術を学んでほしい。さらに、「どんなアイデアが未来をつくるのか」を自分で考える体験をさせたい──。そんな親の思いが詰まった本『ミライの科学にふれてみよう おうちじっけん号』(CCCメディアハウス)が発売された。

本書には、テクノロジーの一端を体験できる22の実験が掲載されている。「ロボットが好き」「ファッションが好き」など、子どもの興味関心が強いものから取り組むといいだろう。

子どもたちだけでは少し難しい内容もあるため、親子で体験することが推奨されている。大人も、「あのテクノロジーはこうした実験の延長線上にあるのか」と、子ども以上に驚くかもしれない。少しの手間とお金だけで、何も科学館に足を運ばずとも、子どもに見せられる世界が広がっていくことを実感できるはずだ。

身近な遊びが「あったらいいな」につながる

実験で使用する材料は、折り紙やストローなど100円ショップやネット通販で手軽に購入できるものばかり。折り紙でテクノロジーを体験? と思うかもしれないが、「折り紙は、1枚の紙を折りたたむから、好きなときに広げて使える。そして折るほどに強くなる」という特徴は実際の先端技術に応用されており、実験を通じてそれが体験できる仕組みだ。

例えばこうした折り紙の特徴は、人工衛星の太陽光パネルに使われている。宇宙に行くまでは小さく折りたたみ、到着してから大きく広げる様子は、折り紙の技術そのものだ。

また折り紙の構造は、モノを強くするためにも使われている。スチール缶を強くするためには、表面に折り目をつけるが、これも折り紙の技術。壊れやすいものを包むときや、建物にも使う丈夫な「ハニカムコア」という構造は、七夕飾りをヒントにつくられたと言われている。

では、これらの技術の基本となる「紙ばね」をつくってみよう。

ミライの科学にふれてみよう おうちじっけん号
 著者:山岡 潤一、草野 絵美
 出版社:CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中