最新記事

ウクライナ情勢

ロシア軍、ウクライナ東部ドネツク州制圧へ攻勢 市場や住宅地も標的

2022年7月6日(水)08時58分
ロシアの攻撃を受けた市場で消火活動に当たる人々

ロシア軍は7月5日、ウクライナ東部ルガンスク州を掌握したのに続き、隣接するドネツク州で攻勢を強め、市場や住宅地も標的になった。写真はロシアの攻撃を受けた市場で消火活動に当たる人々、同州のスラビャンスクで撮影(2022年 ロイター/Marko Djurica)

ロシア軍は5日、ウクライナ東部ルガンスク州を掌握したのに続き、隣接するドネツク州で攻勢を強め、市場や住宅地も標的になった。両州で構成するドンバス地域の制圧を目指して激しい砲撃を続けている。

ウクライナ政府当局者らによると、ロシア軍はドネツク州のスロビアンスクとクラマトルスクに戦力を集中させているとみられる。この日はスロビアンスクの市場と住宅地を砲撃し、地元当局によると少なくとも2人が死亡、7人が負傷した。

同州のキリレンコ知事はフェイスブックの投稿で「ロシアはまたしても、市民が集まる場所を故意に狙っている」とし「これは完全なテロだ」と非難した。

知事は先に、スロビアンスクとクラマトルスクが一晩中激しい砲撃に見舞われたと明らかにし、両市がロシア軍の主要な標的になったと指摘。「ドネツク地方で砲撃のない安全な場所はない」と語った。

<攻撃拡大を正当化>

一方、ロシアのウォロジン下院議長はウクライナは「テロ国家」になったと発言。より広範な攻撃を正当化するためにこのような見解を示した可能性がある。

下院ではまた、ウクライナでの戦争を支援するための2つの法案が第1読会を通過した。最終的に上下両院で承認されれば、政府は企業に対し軍への物資供給のほか、ウクライナ侵攻に関連した従業員の残業を要求できるようになる。長期戦を見越した動きともとれる。

ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問は投稿動画で、ロシアはルガンスク州のリシチャンスクとセベロドネツクを制圧するために多大な人的・金銭的損失を被り、90日間の時間も要したと指摘。「ウクライナ領土でロシアが勝利するのはこれが最後だ」と強調した。

ウクライナのジェパル第1外務次官はスイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で、ロシア軍がウクライナ南部の港湾都市・オデーサ(オデッサ)とミコライウの封鎖を継続すれば、貯蔵庫にある数百万トンの食料が腐り、アフリカやアジアの数百万人の人々が飢えに苦しむ恐れがあると警告した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ザポリージャ原発周辺で局地的停戦、送電線修理へ ロ

ビジネス

任天堂、 政策株縮減で最大3300億円の売り出し決

ビジネス

UBS、米国株の投資判断を「中立」に引き下げ 他地

ワールド

英マンチェスター補選、労働党が牙城失う 緑の党勝利
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルーの大スキャンダルを招いた「女王の寵愛」とは
  • 4
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 5
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 6
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「まるで別人...」ジョニー・デップの激変ぶりにネッ…
  • 9
    【和平後こそリスク】ウクライナで米露が狙う停戦「…
  • 10
    「3列目なのにガガ様が見えない...」観客の視界を遮…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 5
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中