最新記事

ウクライナ情勢

ベラルーシ「参戦」準備? 木製「ダミー戦車」を、ウクライナ国境に配備した狙いは

Feint Or Combat Readiness? Belarus Putting Up Wooden Dummy Tanks On The Border

2022年6月24日(金)18時20分
ミーラ・スレシュ
ベラルーシ戦車モニュメント

ベラルーシ西部の都市フロドナにあるソ連時代のT-34戦車のモニュメント Maxim Shemetov-REUTERS

<ウクライナ国防省の報道官は「ウクライナへの具体的な侵攻準備は確認されていない」としつつ、ベラルーシ国境地帯の態勢強化を表明>

ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから4カ月。戦闘終結への道筋が見えないなか、苦戦するロシアが同盟国であるベラルーシを戦争に引きずり込もうとしているとの可能性が指摘されている。戦争への立場を明確にしていないベラルーシだが、こうした状況下でウクライナとの国境地帯に、木製の「ダミー戦車」を配備しているとの情報が浮上した。

これは、ウクライナ国防省のオレクサンドル・モトゥジャニク報道官が明らかにしたもの。彼は、ダミー戦車の配備の狙いについて、ベラルーシのプレゼンスを誇示することが狙いだと指摘している。Facebookに「ベラルーシ軍はカモフラージュ作戦を展開してプレゼンスを誇示するために、ウクライナとの国境地帯に木製のダミーの戦車を配備している」と投稿した。

戦闘への即応が可能か検証しているところ

モトゥジャニクはさらに、ベラルーシ軍は現在、戦闘に即応できるかどうかを検証しているところで、週末にかけて演習を続ける予定だと指摘。「ベラルーシ領内から、ウクライナに対するミサイル攻撃や空爆が行われる恐れもある」と述べ、ベラルーシ軍は南部のブレスト州とゴメリ州に7個大隊を配備し、態勢を強化しているとつけ加えた。

それでもウクライナ側は、ベラルーシ領内からウクライナに向けての2度目の攻撃(1度目は2月の侵攻開始直後)を行う準備が行われている兆候はないとの見方を示し、とはいえ潜在的な脅威は残っているため、国境地帯の部隊は維持しておくつもりだと表明した。

ウクライナ国営通信のウクルインフォルムが引用して報じたところによれば、モトゥジャニクは次のように述べた。

「ベラルーシからの脅威は決して消えていない。だが同国の領土から我が国に再び侵攻を行うためには、強力な攻撃部隊の編成が必要となる。ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始した直後の数週間には、このような展開がみられた。ベラルーシの敵対的行動のせいで、ロシアはあれほど迅速にキーウ(キエフ)郊外に到達できたのだ。だが今では、当時のような強力な部隊は確認されていない」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ヒズボラが攻撃停止か、イスラエルはレバノン攻撃継続

ワールド

中国外相が9─10日に北朝鮮訪問、「戦略的対話を強

ワールド

ウクライナ南部の河川輸送要衝に無人機攻撃、施設に被

ワールド

中東情勢安定なら通常運航再開まで6─8週間=ドイツ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 6
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 7
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 8
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 9
    キッチンスポンジ使用の思いがけない環境負荷...マイ…
  • 10
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 5
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 9
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中