最新記事

学習障害

ウィル・スミスを激怒させたクリス・ロックは「非言語性学習障害」だった

Chris Rock's Non-Verbal Learning Disorder Gains Attention After Oscars Slap

2022年4月4日(月)17時23分
アンダーズ・アングルシー

あんなジョークを言ってしまったのもこの障害のせい?(ウィル・スミスのビンタを食らったロック) Brian Snyder-REUTERS

<空気を読めず、周囲の人から冷たい反応をされることに悩んできた、とロックは語っていた>

第94回アカデミー賞授賞式で俳優のウィル・スミスから平手打ちを食らったコメディアンのクリス・ロックが、非言語性学習障害(NVLDまたはNLD)と診断されていたことが改めて注目を集めている。

授賞式でロックは、スミスの妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスのヘアスタイルをジョークのネタにしたが、彼女がスキンヘッドにしていたのは脱毛症が原因だった。この発言に怒ったウィル・スミスはステージに上がってロックに平手打ちをし、見ていた人々を驚かせた。

この平手打ち騒動をめぐる議論のせいで、スミスの主演男優賞受賞もアカデミー賞授賞式そのものもすっかりかすんでしまった格好だ。世間の強い関心はスミスとロックだけに集まっている。

コメンテーターもネットユーザーも、ロックとスミスの両方が悪かったと批判している。

スミスはその後、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーを退会。「授賞式での私の行動は衝撃的で不快で許されざるものだった」との声明を出した。

一方で、ロックがNVLDの診断を受けていたことに新たな関心が集まっている。

NVLDへの理解を広めることを目的とする非営利団体のNVLDプロジェクトによれば、NVLDの人は「特に社会的スキルや空間概念に困難を抱えている」という。

人の気持ちを読むのがうまくない

事件以降、グーグルでのNVLDに関する検索は急増。ソーシャルメディアでも多くの人が、ロックとNVLDに関する情報を拡散している。

女優でプロデューサーのオースティン・ハイスミス・ガーセズは3月31日にこうツイートした。「クリス・ロック自身に障がいがあったというのを初めて知った。アスペルガー症候群に似たNVLDだそうだ」

テレビで法律問題のコメンテーターとして活躍するエイミー・ダッシュも29日、ツイッターに「クリス・ロックにとっては、非言語性学習障害の診断を受けていることや、それが対人関係に与える影響について、世間に関心を持ってもらういい機会だ」と投稿した。

「こんなことでもなければ多くの人が自分自身や知り合いがNLDだと分からないままだったかも知れず、そうした人にとってはありがたい出来事となるかも知れない。1度調べてみて」

プロデューサーのホリー・ソレンセンも28日、こうツイートした。「クリス・ロックは非言語性学習障害を抱えている」

「これは神経学的な病気で、人の気持ちを読んだり適切な応対をすることがうまくできない」

ロック自身、過去のインタビューでNVLDの診断を受けたことや障害にまつわる体験について何度か語っている。

例えば昨年5月には芸能ニュースショー「エクストラ」に対しロックは、友人からアスペルガー症候群なのではと言われて診断を受けたと語っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル外相「終わりなき戦争望まず」、終結時期は

ワールド

米国防長官、イラン攻撃「最も激しい日に」 最多の戦

ワールド

イランの「黒い雨」、WHOが健康被害を警告 

ワールド

欧州委員長、原発縮小は「戦略ミス」 化石燃料依存に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 7
    身長や外見も審査され、軍隊並みの訓練を受ける...中…
  • 8
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 9
    トランプも無視できない? イランで浮上した「危機管…
  • 10
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中