最新記事

衛星インターネット

ウクライナでスターリンク衛星通信が提供開始 イーロン・マスクへの要請からわずか10時間半で 

2022年3月1日(火)18時20分
青葉やまと

スペースX社のスターリンク衛星通信の太陽電池の展開イメージ Credit: SPACEX

<ウクライナ副大統領が支援を要請すると、マスク氏は10時間半でサービス開始のスピード対応。日本時間の本日3月1日未明、通信用アンテナも現地に届いた>

ロシア進軍によりインターネット接続が遮断されているウクライナで、スペースX社のスターリンク衛星通信が利用可能となった。現地副大統領からの応援要請ツイートに、イーロン・マスクCEOが応えた。

ウクライナのムィハーイロ・フョードロフ副大統領は2月26日午後2時6分(ウクライナ現地時間)、マスク氏に宛てたツイートを通じ、衛星ネット回線の提供を要請した。

「@elonmusk 、あなたが火星への入植を考えているその間にも、ロシアはウクライナを占領しようとしているのです! あなたのロケットは宇宙から無事着陸したかもしれませんが、ロシアのロケットはウクライナの民間人たちを攻撃しています! ウクライナにスターリンクの送受信機を提供し、また、分別あるロシア人たちに立ち上がるよう呼びかけてはもらえませんか。」

即断のマスク氏、10時間半でサービスインへ

ツイートを受け、マスク氏は支援を即断する。要請ツイートからわずか10時間27分後には、ツイッター上のリプライにて、ウクライナでのサービスを開始したと発表した。

「ウクライナでスターリンクのサービスを利用できるようになりました。追加の端末を配送中です。」 

要請から2日後には、送受信用端末が現地に到着する。フョードロフ副大統領は現地時間28日、「スターリンクが......届いた。ありがとう @elonmusk」の謝辞とともに、車両に積まれた多数のスターリンク衛星端末の写真をツイートした。


この謝礼ツイートは瞬く間に世界に拡散し、40分間で11万件を超える「いいね」を集めた。マスク氏はこれに「どういたしまして」と短く応じている。最初のツイートからサービス提供開始と送受信アンテナの現地到着まで、56時間13分というスピード対応だった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ロシア黒海艦隊「最古の艦艇」がウクライナ軍による…

  • 9

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中