最新記事

ウクライナ侵攻

<独占>キエフ陥落は数日以内(米当局者)

Exclusive: US Expects Kyiv to Fall in Days as Ukraine Source Warns of Encirclement

2022年2月25日(金)17時08分
ナビード・ジャマリ、デービッド・ブレナン、トム・オコナー

ウクライナ大統領府のミハイロ・ポドリャク顧問は声明の中で、ロシアがウクライナの複数の主要都市にある政府関連施設の占拠を目指しているとの見方を示した。

「ウクライナ大統領府は、ロシアの戦術上の目標は2つあると考えている。複数の地域を占領し、ウクライナの正統な政治指導部の機能を破壊することだ。それで混乱を広め、ロシアとの2国間関係についての和平条約に署名する傀儡政権を樹立しようとしている」とポドリャクは声明で述べた。「狙いは複数の大都市、特にハルキフとキエフの情勢を不安定化させようとしている。ロシア軍の複数の部隊が、ウクライナ政府の関連施設が集まる区域を占領する可能性もある」

ロシア軍による侵攻の早い段階で、最も劇的な戦闘が展開された場所の一つが、キエフ近郊のホストーメリにあるアントノフ空港だ。ウクライナ内務省の複数の当局者は24日、ヘリコプターで飛来したロシア軍の複数の部隊が、同飛行場を占拠したと発表した。だがロシアの部隊を撃退するための抵抗は今も続いているとみられる。

ここでの戦いの結果が、ウクライナの今後を左右する可能性もある。アントノフ空港は、キエフから西に約25キロメートルのところに位置している。ここがロシア軍に制圧されれば、キエフ進軍の足掛かりになる。

チェルノブイリ原発を占拠

前述のウクライナの情報筋は、ホストーメリにいるウクライナ軍の部隊について、「彼らがロシア軍を撃退できるかどうか、見守るしかない」と述べた。

ロシア軍の部隊が、ウクライナ国内の複数の拠点を掌握したのか、それともそれらの拠点から撃退されたのかについては、情報が錯綜している。その中で重要な一つの拠点が、ソ連時代の1986年に世界最悪の原発事故が起きたチェルノブイリ原発だ。ウクライナ大統領府は、このチェルノブイリ原発がロシア軍に占拠されたと発表した。

ウクライナとロシアの部隊の衝突は続き、どちらも相手側にどれだけの被害をもたらしたかを強調している。

ウクライナ軍のバレリー・ザルジニー最高司令官は24日、ウクライナ軍がロシア軍の少なくとも4台の戦車と数十台の装甲車両を破壊し、最大6機のロシア軍機と2機のヘリコプターを撃墜したと主張。同軍はその後、ウクライナに対して、ベラルーシ方向から4発の弾道ミサイルが発射されたと報告した。

またウクライナ外務省の危機管理センターは、市民や軍事施設に対して30発以上の巡航ミサイル、誘導型多連装ロケットシステムや砲弾による攻撃があったと報告した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日銀利上げ、促すということではなかったと認識=米長

ビジネス

円債は入れ替え中心で残高横ばい 国内株は株高受け売

ワールド

各国の新気候計画、世界の温室効果ガス排出が減少に転

ビジネス

三菱重やソフトバンクG、日米間の投資に関心表明 両
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下になっていた...「脳が壊れた」説に専門家の見解は?
  • 4
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 5
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 6
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 7
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 8
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 9
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中