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新型コロナウイルス

刑務所での感染拡大を防ぐため、「起訴見送り」や「釈放」も実施すべきだ

Keeping Jails Safe from Omicron

2022年1月6日(木)12時52分
ジョシュア・マンソン(ジャーナリスト)

次に必要な措置は刑務官へのワクチン接種義務付けだ。刑務官は意図せずして地域から施設に、そして施設から地域にウイルスを広げる役目を果たす。21年5~7月にカリフォルニア州の刑務所で発生したクラスターの半数は刑務官の感染によるものだった。

報告された数字を見ると、刑務官のワクチン接種率は驚くほど低い。ペンシルベニア州では48%、ワシントン州では50%超。大半の州は報告すら怠っているありさまだ。

3つ目は受刑者のワクチン接種を進めること。既に2回の接種を終えた受刑者にも追加接種を行う必要がある。

アメリカではこれまでに50万人近くの受刑者が新型コロナに感染し、うち3000人近くが亡くなったことが調査で分かっている。感染を免れても面会を禁止されたり更生プログラムが受けられなかった受刑者は数知れない。

不作為の罪がどんな代償をもたらすか私たちは経験済みだ。いま必要なのは迅速かつ大胆に手を打つこと。それによって多くの命を救える。

©2021 The Slate Group

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