最新記事

新型コロナウイルス

コロナ陽性の1歳児が睡眠中に死亡、豪最年少の犠牲者に

Toddler Dies in Her Sleep After Catching COVID

2022年1月5日(水)16時29分
ロバート・リー

眠っている間に死んだ女児は、病気には見えなかったという(写真はイメージ) Anchiy-iStock.

<就寝中に亡くなった生後13カ月の女児は、新型コロナに感染していた。2日後には、新型コロナに感染した別の1歳児も死亡したと州首相が発表した。いったい何が起こっているのか、死因は調査中だ>

南オーストラリア州に住む生後13カ月の幼児が、新型コロナウイルスに感染後、睡眠中に死亡した。ダコタ・ネンケの死因は現時点では不明だが、死亡後に新型コロナウイルス検査が陽性だったことが判明し、同ウイルス感染後に亡くなったオーストラリアで最年少の事例となった。

ダコタの両親は、幼い娘がどのような経緯で新型コロナウイルスに感染したのかまったくわからない、同国の報道番組「7ニュース」は報じた。

ダコタ・ネンケの父親ライアン・ネンケ(29歳)と母親カーリー・コンリー(27歳)は12月27日、アデレード北西部にある自宅で見た目は健康な我が子を寝かしつけたとき、かすかに身体が熱いように感じたという。

父のライアン・ネンケは豪デイリー・メールにこう語った。「ダコタにはパナドル(小児用の解熱鎮痛剤)を2回飲ませた。あとは普通に昼寝をし、午後にはきょうだいと遊んでから眠りについた」

もう一人の1歳児も2日後に死亡

ダコタ・ナンケが亡くなっているのがわかった12月28日の朝以降、ダコタ以外の家族も全員が、新型コロナウイルスに感染していることがわかった。父親のライアン・ネンケによれば、一家はワクチン接種済みだったという。

両親は、次はダコタの双子のきょうだいヘイリーの番ではないかと心配した。ヘイリーはダコタが亡くなったあと、念のため病院で1日過ごしたが、今は完全に健康を取り戻した様子だ。「ヘイリーは、もう大丈夫だ」と、ライアン・レンケはデイリー・メールに語った。

幼いダコタがこの世を去って以来、南オーストラリア州の人々は、両親の支援に乗り出している。一家のために立ち上げられた支援サイトには、目標の2万豪ドルを上回る資金が集まっている。

ニューヨーク・タイムズの新型コロナウイルス追跡サイトによると、オーストラリアでは現在、新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、新規に陽性が確認された人の数は、1日平均2万5000人を超えている。2週間で572%増加した。

人口あたりの感染者数で見ると、亡くなったダコタ・ネンケが住んでいた南オーストラリア州は、人口10万人あたり122人と、同国で2番目に多い地域となっている。

オーストラリアで現在、感染状況が最も深刻なのはニューサウスウェールズ州だ。1日あたり感染者数が1万5000人を超え、人口10万人あたりの感染者数も187人に達している。

新型コロナウイルス感染による死者数も増加しており、1日あたり平均9人が、新型コロナウイルスに関連する症状で命を落としている。2週間前より56%増加している。

ダコタの死の2日後、南オーストラリア州のスティーブン・マーシャル首相は、新型コロナウイルスに感染した2歳未満の幼児の死亡を発表した。いずれも死因はまだ不明だ。ダコタの前の最年少の犠牲者は10歳だった。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ノボノルディスク株が7.5%急騰、米当局が肥満症治

ワールド

ロシアがウクライナを大規模攻撃、3人死亡 各地で停

ビジネス

中国万科、最終的な債務再編まで何度も返済猶予か=ア

ビジネス

中国、来年も政府債発行を「高水準」に維持へ=関係筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中