最新記事

健康

1回40秒、風呂上がりと外出前の1日2回...「ひざの痛み」が消えるエクササイズ

2022年1月22日(土)18時18分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ひざの内部(イメージ)

ipopba -iStock

<自宅で、自分でできる「ひざの痛み」の解消法である「ひざのお皿浮かし」の方法と、ひざ痛にまつわる疑問に対する回答を紹介>

東京・足立区で「アスリートゴリラ鍼灸接骨院」を開業し、ひざ痛を解消するためのセルフケア法を公開した高林孝光の新刊『ひざ痛がウソのように消える! 1日40秒×2 ひざのお皿エクササイズ』より、治療の現状や痛みの生じるメカニズム、セルフケアの方法について紹介する全3回の抜粋紹介。今回はその第3回。

第1回:「ひざの痛み」という悩みがいつまでも解消されない、日本ならではの事情

第2回:仰向けで、ひざ裏がベッドから浮く人は注意...「ひざの痛み」をもたらす「圧迫」

ひざのお皿エクササイズ

ここでは、ひざのお皿エクササイズのメインメニューである「ひざのお皿浮かし」を紹介しましょう。ひざのお皿を軽く動かすだけで、大腿骨(太ももの骨)へ向かって圧迫されていたひざのお皿が浮いてきて、ひざの「もう一つの関節」である膝蓋大腿関節の炎症が改善し、ひざ痛を解消することができます。

ひざが痛くて、ひざの裏を伸ばしきれていない人は、床に座って脚を前に伸ばしたときに、ひざの裏が床から浮いているものです。このとき、無理にひざを伸ばそうとすると、ひざに力が入ってひざのお皿を動かしにくくなります。したがって、そういう人は、ひざを曲げたまま(ひざの裏が床から浮いたまま)行ってかまいません。ひざの力を抜いて行うのがポイントです。

220121syo_hzi032.jpg

『ひざのお皿エクササイズ』より

ひざのお皿浮かしは、本来はストレッチとセットで行うものなので、ストレッチと同様に、1日に1〜2度行います。体が温まって、筋肉や関節が軟らかくなっている風呂上がりと、外出する直前に行えれば理想的です。

痛むひざが片方だけの場合でも、必ず両ひざで行ってください。その時点では片側だけが痛くても、歩行時の負荷などが長年かかり続けていれば、やがて反対のひざも痛くなる可能性が高いからです。

横方向に10秒、縦方向に10秒、そして斜め方向に10秒ずつの合計40秒、ひざのお皿を浮かして動かすだけで、膝蓋大腿関節の炎症が取れるばかりか、ひざ周辺の組織も柔らかくなって、ひざ痛が消えていきます。ぜひ実行してみてください。

220121syo_hzi033.jpg

『ひざのお皿エクササイズ』より

ひざ痛のここが知りたいQ&A

最後に、ひざ痛に関して、患者さんからたずねられることの多い質問にQ&A形式でお答えします。ひざのお皿エクササイズを実行するときの参考にしてください。

Q ひざが痛くて病院に行ったら「ひざに水がたまっている」といわれました。水を抜くとクセになるので抜かないほうがよいと聞いたことがありますが、やはり抜かないほうがよいのでしょうか?

A ひざの関節に炎症が起こると、関節全体を包む関節包が腫れて、関節液がふえます。これが「水がたまる」という状態です。水がたまると、関節包が膨張し、その圧迫力によってひざに痛みを感じるようになります。

一度膨張した関節包は、水を抜いてもシワシワになっているため、再び膨らみやすくなるので、ひざ痛を再発しやすくなります。つまり、水を抜くとひざ痛がクセになるわけではなく、関節包がひざ痛を再発しやすい状態になっているということです。

したがって、水が大量にたまって激痛のあるときには、水を抜くことをおすすめします。ただし、ひざのお皿エクササイズを行って関節包の炎症を抑えてから、ウオーキングなどでひざを習慣的に動かすようにすれば、水は自然にへって、適切な量になります。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ロイターネクスト:為替介入はまれな状況でのみ容認=

ビジネス

ECB、適時かつ小幅な利下げ必要=イタリア中銀総裁

ビジネス

トヨタ、米インディアナ工場に14億ドル投資 EV生

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中