フランスでも「ヒキコモリ」問題が拡大中、ただし日本とは大きな違いが
フランスでは、ひきこもりに否定的なニュアンスがないことが日本との大きな違いだ。ひきこもりは悪いことではないとなれば、彼らももっと社会に戻りやすくなる。「日本でひきこもりというと、常に病気という観点で見てしまう。フランスで教えられたのは、『ひきこもりは病気か? 生き方ではないのか』という考え方があり得ること。そこが素晴らしい」
コロナ禍でも、1年に数カ月はストラスブール大学病院の地域で看護師と共に患者を訪問している。ひきこもりを自宅に訪ねるのは難しいと思われるかもしれないが、訪問診療の根付いているフランスでは「面談を断られたことがない」と、古橋は言う。
なかには、フランスの精神科医には会いたくないが「外」から来た日本人の古橋なら会ってもいい、というひきこもりもいるという。
日本とフランス、それぞれの文化を考察しつつ、よりよい解決策を探っていく――古橋の取り組みはまだ続く。

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