最新記事

韓国

韓国、新型コロナ重篤者過去最多に 防疫パス導入でPCR検査も混乱

2021年12月24日(金)13時59分
佐々木和義

ソウル市中区保健所のPCR検査所 撮影:佐々木和義

<韓国で新型コロナウイルスの感染が拡大している。重篤者・死者が過去最高となり、11月に始まった「ウィズ・コロナ」政策は1か月半で撤回することになった......>

韓国中央防疫対策本部は12月24日、1日の新型コロナウイルス新規感染者数が6919人増え(累計58万9978人)、重篤感染者は過去最多の1083人、前日22日の死者も109人で、感染症の発生以来はじめて100人を超えたと発表した。

韓国政府は21年11月1日、コロナ禍で深刻な打撃を受けている産業等の段階的な回復を図る「ウィズ・コロナ」を宣言して規制緩和を実施したが、感染者が急増。「ウィズ・コロナ」政策を実施から1か月半で撤回した。

「ウィズ・コロナ」政策1か月半で撤回

11月1日、韓国政府は段階的な回復を図る「ウィズ・コロナ」を宣言した。コロナ・ワクチンの接種完了率が75%、1回目接種率が80%に達したことを受けた措置だった。私的な集まりを首都圏は10人、非首都圏は12人に緩和したうえで、段階的に解除する方針を示し、飲食店等の営業時間制限を解除した。また、結婚式や葬式、各種イベント等の人数制限を緩和し、7月以降禁止されていたデモや集会も可能となった。

一方、11月10日頃から感染者が急増。同月16日には新規感染者が9月以来、2か月ぶりに3000人を超え、11月30日には5000人を突破した。1日あたりの新規感染者が3日連続で7000人を超えた12月16日、政府は「ウィズ・コロナ」を撤回した。

12月18日から1月2日までの私的な集まりを4人以下に制限し、飲食店やカフェ、カラオケなどは21時、学習塾や映画館、マッサージなどは22時に閉店することを義務付けた。

疾病管理庁は試験運用を行っていた「防疫パス」を12月13日から導入した。防疫パスはコロナ・ワクチンの2回目の接種を終えた人やPCR検査で陰性が確認された人、ワクチン接種対象外の人などに対して発行する証明書で、不特定者が利用する施設に入場する際、提示を義務付ける。飲食店やカフェなどを1人で利用するときは提示不要で、2人以上のグループは提示が義務付けられるが、導入初日の13日に通信障害が発生して、サーバに接続できない事態に陥った。

同庁は翌14日から運用を始めたが、アプリケーションの不具合からワクチン接種完了者の有効期間を接種後6か月以内とする措置を2週間延長して1月3日から実施することにした。

防疫パス導入で、PCR検査も混乱

PCR検査も混乱に陥っている。12月5日から11日の1週間にソウルで確認された感染者の64.9%がワクチン接種完了者だったことが明らかになるなど、不安を感じた人々が検査を受け、また、ワクチン接種を完了していない人もPCR検査で陰性が確認されると48時間有効の防疫パスが発行されることから、防疫パスの運用がはじまった12月14日から17日のPCR検査数が1日30万件近くにまで増加した。

韓国疾病管理庁は検査を効率化するため、オンライン問診を実施している。検査を受ける人たちは検査所に設置されたQRコードからサーバに接続して、名前や住所、携帯電話番号などを登録し、問診票に入力する。特段の症状がない人は、体温をチェックしたあと検査所に入って検査を受ける。検査結果は携帯電話にメッセージで送られる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、パキスタンとアフガンに自制求める

ワールド

再送自民がイラン情勢会議開催、エネルギー供給に懸念

ワールド

湾岸諸国の航空会社、アジア路線の優位低下へ=ルフト

ビジネス

豪中銀、連続利上げ僅差で決定 方向性の見解は全員一
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中