最新記事

韓国

韓国、新型コロナ重篤者過去最多に 防疫パス導入でPCR検査も混乱

2021年12月24日(金)13時59分
佐々木和義

防疫パスが導入されて最初の週末となった12月18日、その問診システムにエラーが起きた。午前9時過ぎからサーバに接続できない状況に陥ったのだ。ソウル駅前など一部の検査所は手書き問診で対応したが、検査を受けにきた人を帰らせた検査所もあったという。ソウルの最低気温が氷点下11℃に下がった同日、検査を受けるため2時間以上並んだ人たちもいた。

筆者は19日、検査所の行列を見て断念し、翌20日に検査を受けたが、40分近く並んだ知人や1時間半近く並んだ人たちもいた。

「接種しない人を差別する」と、市民が告発

医療機関も混乱している。12月19日の重症者用病床使用率は79.1%に達し、感染者が最も多いソウルは85.9%に達していた。病床の空きを待つ自宅待機者など、自宅療養を余儀なくされた感染者が1万人を超え、文在寅大統領は首都圏の国立病院をコロナの専門病院に切り替えるよう指示を出した。

また、金富謙(キム・ブギョム)首相は、中等症以上の病床を1万床追加して、2万5000床に増やす計画を発表した。

1日あたりの新規感染者が1万5000人になっても対応できる体制を整える計画だが、疾病管理庁の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長は、「12月中に(新規)感染者が約1万人になり、来年1月には最大2万人になる可能性」に言及した。

いっぽう、12月22日、ソウルの市民ら950人が「防疫パスは、効果や安全性が十分に検証されていないワクチン接種を強制するものであり、接種しない人を差別する平等権侵害にあたる」とし、文在寅大統領と金富謙首相、鄭銀敬疾病管理庁らを職権乱用容疑でソウル中央地検に告発するなど、政府のコロナ対策を批判する声が上がっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECBが金利据え置き、3会合連続 今後の金利動向示

ビジネス

日銀の利上げ見送り、極めてリーズナブルな判断=片山

ビジネス

日産の今期2750億円の営業赤字に、米関税が負担 

ビジネス

米財務長官、年内再利下げに疑問示したFRBを批判 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 5
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 6
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中