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アフガンで再興するイスラム国が、「中国」を次のテロ標的に定めた必然

China: The New Jihad Target

2021年11月2日(火)17時17分
ノディルベク・ソリエフ(南洋理工大学・政治暴力・テロリズム研究国際センター上級アナリスト)

■最悪のシナリオ

タリバンのカブール制圧によって、IS-Kとタリバンの対立も新たな局面を迎えている。IS-Kがクンドゥズの自爆テロを中国とウイグルに絡めたことは、中国がタリバンと外交的および経済的関わりを深めていることに対し、IS-Kが失望を募らせているという意味でもある。

IS-Kにとって、タリバン国家が強化されることは、アフガニスタンにおける自分たちの野心と生き残りへの深刻な挑戦になる。タリバン支配下のアフガニスタンに中国が関与を強めれば、ISとIS-Kはさらに敵意を燃やすだろう。

IS-Kは報復として、中国を悪者にして威嚇するような筋書きを宣伝し続ける。さらに、特にタリバンのウイグル人との関係見直しを受けて、ウイグル戦闘員にTIPと手を切って自分たちに合流するように働き掛けるだろう。最悪のシナリオは、彼らがアフガニスタンやパキスタンで中国の人員や施設を攻撃するという展開だ。

©2021 The Diplomat

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