最新記事

インタビュー

自己肯定感が低くても悩まずにいることは可能、心を惑わす「ノイズ」との付き合い方

2021年9月7日(火)19時54分
flier編集部

井手:それだけで気持ちがラクになりそうですよね。

本書には14種類のノイズが紹介されていますが、どれもキャッチーで「あるある!」と頷けるものばかり。「欲しがらないほうがいい」と思い込んでいる「他人ファーストノイズ」、絶対に失敗したくない「完璧主義ノイズ」......。きっと多くの人が、「これは自分のことだ!」と思うのではないでしょうか。

また本書には、そうしたノイズに邪魔されないための「ノイキャン(ノイズキャンセリング)エクササイズ」が紹介されています。これもまたキャッチーなネーミングで、しかも気軽にできるものばかりですね。

山根:もしかしたら、ちょっとバカっぽいなと思う方もいるかもしれませんね(笑)。でも、それくらい気軽なほうがいいんです。

悩みって、深刻になりすぎるとドヨーンとしてしまうもの。だからせめて、エクササイズは楽しく取り組んでほしいと思います。

井手:本書のノイキャンエクササイズのなかから、「自分実況中継」をやってみました。自分の動作一つひとつを言葉にして、自分を客観視するというものです。

やっている時点で、「これはもう、自己肯定感が上がるいっぽうだな」という感覚でしたね(笑)。楽しくて楽しくて。この楽しさも、ノイキャンエクササイズのキモだと感じました。

「自己肯定感低めの人」がトライしたい2つのエクササイズ

井手:本書で紹介されている10種類のノイキャンエクササイズのなかで、山根先生が特におすすめのものはどれですか?

山根:まずは「テレビの『ながら見』禁止」です。テレビには、ネガティブな情報もたくさん。意識的に見るのはいいのですが、そうでないと、ネガティブな情報がどんどん入ってきてしまいます。自分が落ち込んでしまったり、ノイズを強化してしまったりするような視聴は控えるといいですね。

井手:ネガティブな情報をシャワーのように浴び続けるのではなく、見るなら見る、見ないなら見ない、と線引きが重要ですね。

山根:その通りです。また「絶好調ラベル」も、ぜひ挑戦していただきたいエクササイズです。

人って、ネガティブなものに意識が向きやすい生き物です。危険を察知して回避しなければ生き残れませんからね。でもそれがいきすぎると、ネガティブなことばかり考えてしまう。

そうならないように、ネガティブなことが頭をよぎったら、ポジティブなことも同時に考えてみましょう。「腰は痛いけど足は軽いぞ」とか。

リモートワークや外出自粛などで、自宅に一人でいると、ネガティブな自分像がふくらんでいってしまうかもしれません。それを食い止めるために、あえて「自分は絶好調だ」とラベリングしていくんです。

井手:ダメなことを一つ思いついたら、いいことも一つ探して上塗りをして、いい話で終わるようにすると。

山根:そうです。これは、ネガティブ思考をやめて無理やりポジティブ思考を切り替えようということではありません。ポジティブとネガティブのバランスを取るようにしてほしいんです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏が対中追加関税を表明、身構える米小売業者

ワールド

米中首脳、予定通り会談方針 対立激化も事務レベル協

ビジネス

英消費支出、9月は4カ月ぶりの低い伸び 予算案前に

ワールド

ガザ情勢、人質解放と停戦実現を心から歓迎=林官房長
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃をめぐる大論争に発展
  • 4
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 9
    ウィリアムとキャサリン、結婚前の「最高すぎる関係…
  • 10
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中