最新記事

音楽フェス

英・音楽フェスで4700人が感染、デルタ株亜種「フェスティバル株」が発生?

2021年9月7日(火)17時23分
松丸さとみ

この音楽イベントの参加者から、デルタ株の亜種が新たに出現した? Photo: Boardmasters Festival

<イングランド南西部で行われた音楽フェスティバルが、世界屈指の「スーパースプレッダー・イベント」となっていたことが明らかになった。このイベントからデルタ株の亜種も見つかっている>

5万人以上参加のイベント後、若年層でコロナ拡大

英国では、2020年の音楽フェスティバルは新型コロナウイルスでほとんどがキャンセルになったが、今年は8月に大規模なものがいくつか開催された。なかでも、イングランド南西部で行われたものが、世界屈指の「スーパースプレッダー・イベント」となっていたことが明らかになった。このイベントからデルタ株の亜種も見つかっている。

イングランドでは7月に、対人距離の確保やマスクの着用義務、イベントの人数制限など、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための行動制限が、ほぼ解除された(一部の公共交通機関ではマスクの着用は引き続き求められている)。また、ワクチン接種も順調に進んでいる。

こうした背景の中、イングランド南西部コーンウォールにある海辺の町ニューキーで、8月中旬に音楽フェスティバルとサーフィンの大会であるイベント「ボードマスターズ・フェスティバル」が5日間にわたって行われた。参加者は5万3000人に上ったが、その後、若年層での新型コロナ感染者が急増したという。

地元メディア「コーンウォール・ライブ」は8月23日付の記事で、コーンウォール自治体が記者会見で、ボードマスターズ・フェスティバルに参加して感染した人や、参加者から感染した人の合計は、4700人に上ると発表したと報じた。感染者の4分の3は16~21歳だった。英統計局のデータを見ると、8月中旬時点でワクチンを2回とも接種した16~24歳の割合は、25.5%だ。

デルタ株亜種「フェスティバル株」が発生との疑いも

さらに英iNewsは8月29日、この音楽イベントの参加者から、デルタ株の亜種が新たに出現した恐れがあると報じた。南西イングランド地域におけるパンデミック対応を担当する匿名の上級職員が明らかにしたもの。

iNewsによると、デルタ株はすでに亜種がいくつも生まれている。しかしボードマスターズ・フェスティバルに参加した人たちが感染しているのは、一様にデルタ株の新しい亜種であるため、この地域の医療関係者はこれを「フェスティバル株」と呼んでいるという。

一方でイングランド公衆衛生局(PHE)はiNewsに対し、今回見つかったデルタ株の亜種が、ボードマスターズで出現したものであるという証拠はまだ見つかっていないと述べており、引き続き監視を続けるとしている。

なおiNewsによると、ニューキーは8月末の時点で、10万人あたりの感染者数は2000人以上と、イングランドでもっとも高い感染率になっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、代替関税率を10%から15%に引

ビジネス

エヌビディアやソフト大手の決算、AI相場の次の試金

ワールド

焦点:「氷雪経済」の成功例追え、中国がサービス投資

ワールド

焦点:米中間選挙へ、民主党がキリスト教保守層にもア
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 2
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官が掲げる「新しいスパイの戦い方」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 7
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 8
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    揺れるシベリア...戦費の穴埋めは国民に? ロシア中…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 9
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 10
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中