最新記事

サイエンス

卵を温めるオビラプトルの化石を「成り行き」で大発見してしまった男

I’m Hunting for Dinosaurs

2021年5月13日(木)21時21分
ビー・シユントン(ペンシルベニア州立インディアナ大学生物学教授)

1923年、冒険家でアメリカ自然史博物館研究員だったロイ・チャップマン・アンドルーズ率いる探検隊が、モンゴルで恐竜の化石を発見した。卵のある巣(草食恐竜プロトケラトプスのものとされた)と一緒に見つかったため、当時の研究者はこの恐竜が卵を食べていたと考え、ラテン語で「卵泥棒」を意味する「オビラプトル」という名前を付けた。

それからほぼ100年が過ぎ、問題の卵はおそらく「オビラプトル」自身の卵だったことが今では明らかになった。

今回の発見は科学的に極めて重要だ。オビラプトロサウルス類と呼ばれる恐竜群の習性はめったに確認できない。化石や骨格標本は存在しても、実際にどんな行動をしていたのか、なかなか分からない。

私たち調査チームは最近、ジュラ紀の赤色粘土層で発掘作業を進め、竜脚類と獣脚類の骨格の一部や歯を見つけている。先日は、小型羽毛恐竜ミクロラプトルの歯と骨を発見した。いずれ全身の骨格がそろうことを期待しているが、重要な発見にかかる時間は場所次第だ。化石が豊富なら、この現場で5年間発掘を続けることになるだろう。

古生物学に興味があるなら、情熱に従って生きることを勧めたい。誰でもカネは稼がなければならないが、自分が楽しいことをして社会に貢献できるのは素晴らしいことだ。私の研究が若い世代の励みになれば、と願っている。

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

アップル、中国でもアプリ決済手数料引き下げ 15日

ワールド

ゴールドマン、英利下げ見通し再び後ずれ エネ価格高

ビジネス

午後3時のドルは159円前半、一時1年8カ月ぶり高

ワールド

イスラエル軍、200以上の標的を攻撃したと発表 イ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 4
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 5
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中