最新記事

動物

ネコは箱の中がお好き......それが「錯覚」であっても 

2021年5月7日(金)18時00分
松岡由希子

ネコは箱が好き......描かれたものでも、錯覚でも...... Gabriella Smith M.A.-twitter

<ネコは、箱状のものを好み、中に入ったりする習性があることは知られているが、実物の箱だけでなく、床に描かれた四角、錯覚で四角に見えるスペースでも好んで座ることがわかった...... >

ネコは、箱状のものを好み、中に入ったり、上に乗ったりする。蘭ユトレヒト大学の研究チームがオランダのアニマルシェルターのネコ19匹を対象に行った実験では、箱を与えられたネコは、そうでないネコよりもストレスが少ないことが示されている。

床に描かれた四角形の中にも入ります

三次元の箱だけでなく、床に描かれた四角形の中でさえ、ネコはしばしば好んで入る。2017年には、テープで床に描かれた四角形の中にじっと座るネコの画像がツイッター上で話題となった。


「正方形のように見える」スペースにも入ります

それでは、欠けた黒い円を四隅に配置することで正方形のように見える「カニッツァの正方形」でも、ネコはこれを正方形と知覚し、その中に入るだろうか。

米ニューヨーク市立大学(CUNY)のガブリエラ・スミス研究員らの研究チームは、研究者が一般市民と共同で科学研究を行う「シチズン・サイエンス(市民科学)」の手法を用いてこのテーマについて調べ、2021年4月30日、その研究成果を応用動物行動学の学術雑誌「アプライド・アニマル・ビヘイビア・サイエンス(AABS)」で発表した。

研究チームは、有志の飼い主の協力を得て、一般家庭で飼育されているイエネコ30匹を対象に、20.32センチ四方の正方形、4分の1を切り取ったパックマンのような4つの円を内向きに配置した「カニッツァの正方形」、これらの円を外向きに配置した「カニッツァの正方形」の対照となる図形という3種類の図形への反応を観察した。

その結果、9匹のネコが1種類以上の図形に計16回反応し、それぞれ3秒以上、図形の中でとどまった。「カニッツァの正方形」に反応したのは7回で、8回であった正方形とほぼ変わらず、わずか1回にとどまった対照の図形よりも明らかに多かった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中独首脳会談、習氏「戦略的観点で関係発展を」 相互

ビジネス

ユーロ圏貿易黒字、2月は前月の2倍に拡大 輸出が回

ビジネス

UBS、主要2部門の四半期純金利収入見通し引き上げ

ビジネス

英賃金上昇率の鈍化続く、12─2月は前年比6.0%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 2

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア黒海艦隊「主力不在」の実態

  • 3

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 4

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 5

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 6

    【地図】【戦況解説】ウクライナ防衛の背骨を成し、…

  • 7

    訪中のショルツ独首相が語った「中国車への注文」

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    「アイアンドーム」では足りなかった。イスラエルの…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 7

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    猫がニシキヘビに「食べられかけている」悪夢の光景.…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中