最新記事

パンデミック

中国・武漢ウイルス研究所、19年秋に職員3人が体調不良で通院していた

2021年5月24日(月)10時27分
武漢ウイルス研究所

中国が新型コロナウイルスの感染拡大を公表する数カ月前の2019年11月、武漢ウイルス研究所に所属する研究者3人が病院での治療が必要になるほどの体調不良を訴えていた。写真は同研究所の外の警備員ら。2月撮影(2021年 ロイター/Thomas Peter)

中国新型コロナウイルスの感染拡大を公表する数カ月前の2019年11月、武漢ウイルス研究所に所属する研究者3人が病院での治療が必要になるほどの体調不良を訴えていた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が、これまで公表されていなかった米情報機関の報告書を引用して23日に報じた。

WSJによると、報告書には影響を受けた研究者の数や体調不良になった時期、通院回数に関する新たな詳細情報が含まれている。新型コロナウイルスが同研究所から流出した可能性について、より詳細な調査を求める声が高まる可能性があるとWSJは指摘している。

新型コロナの発生源を巡る調査の次の段階について世界保健機関(WHO)の意思決定機関が協議する直前に新情報が明らかになった形だ。

WSJによると、武漢ウイルス研究所の研究者に詳しい米高官及び元高官は、報告書の裏付けとなる証拠を巡り異なる見解を示している。ある関係者は「さらなる調査や実証」が必要だとしている。

トランプ前政権は、新型コロナのウイルスが武漢の研究所から流出した可能性があるとの見方を示していたが、中国政府はこれを否定している。

トランプ前米政権は退任直前、武漢ウイルス研究所内部の研究者数人が2019年秋に、新型コロナと一般的な季節性疾患の双方でみられる症状で病気になったと信じる理由があるとの政府見解を示す国務省報告書を公表していた。ただ、具体的な研究者の数には言及していなかった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、和平協議「幾分楽観視」 容易な決断

ワールド

プーチン大統領、経済の一部セクター減産に不満 均衡

ワールド

プーチン氏、米特使と和平案巡り会談 欧州に「戦う準

ビジネス

次期FRB議長の人選、来年初めに発表=トランプ氏
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドローン「グレイシャーク」とは
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 6
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 7
    【香港高層ビル火災】脱出は至難の技、避難経路を階…
  • 8
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中