最新記事

台湾有事

台湾防空圏に侵入繰り返す中国軍機、単なる脅しから日本も巻き込まれかねない実戦モードか

Chinese Fighter Pilot Says Taiwan 'All Ours' After Being Asked to Leave Airspace

2021年3月31日(水)19時24分
ジョン・フェン

だが、今回注目すべきなのは、中国軍機が台湾周辺を挟み撃ち攻撃をするような動きを見せ、2機の軍用機が沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡の間を飛行し、台湾の南東部にまで回り込んだことだ。

210331pincer.png

この飛行パターンは、中国が単なる脅しではなく、実戦的な軍事演習を強化しているという印象を与える、と台北にある国防安全保障研究所のHung Tzu-chieh研究員は言う。
 
「最近は、中国軍が将来の紛争や戦争の準備を強化しているという印象が強くなっている(または少なくとも中国軍がそのような印象を与えようとしている)」と、Hunは述べた。

台湾周辺での継続的な演習は「地域の平和と安定を混乱させ、将来的な紛争の危険を増大させている」と、彼は付け加えた。

最近の中国空軍機の領空侵犯(5日間で32回、今月合計54回)には、台湾南部とフィリピン北部の間にあるバシー海峡の奥までの侵入も含まれていた。この海峡は、西太平洋と南シナ海を結ぶ交通の要所だ。

Hungの分析によると、中国空軍機はここ数カ月、この空域をそれほど飛んでいないが、以前には何度かあった。昨年の航空訓練では、中国空軍機がバシー海峡を通って西太平洋に飛んだと、彼は指摘する。

高すぎる緊急発進コスト

台湾国防部は3月の報告書の中で、昨年は中国軍のジェェット機と偵察機の侵入を抑止するために台湾軍のパイロットは1000時間余分に飛行したと述べた。

そのための人件費、機材のコストが高くつくことから、台湾空軍は中国空軍の侵入に対応する方法を調整し、迎撃ジェット機を緊急発進させる代わりに、低速の偵察機を発進させることにした。

台湾の国防部の張哲平(チャン・チェピン)副部長は29日に立法院(国会)の公聴会で、老朽化し、数も不足している台湾軍の資源の無駄を防ぐため、一部の中国空軍機に対しては、現在陸上のミサイル部隊が追跡していると語った。

記録的な規模で行われた26日の領空侵犯は、中国軍からの「攻撃姿勢」に相当するかという議員の質問に、チャンは同意した。多様なタイプの軍用機が一斉に台湾の防空識別圏に進入したことから、中国の海軍と空軍による「複合作戦」であるように見えると語った。

最近の現地の報道によると、このところの台湾周辺の中国空軍の活動は、台湾政府だけでなく日本政府にも警戒感を引き起こしている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FRB次期議長の承認に自信 民主党の支

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 7
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 10
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中