最新記事

Qアノン

Qアノンの次の予言「3月4日にトランプは正統な大統領になる」を信じて待つ信者たち

Why QAnon Followers Think Donald Trump Will Be Sworn Back In on March 4

2021年2月10日(水)19時53分
イワン・パーマー

「彼らは、2021年3月4日が新共和国の始まりであると信じている。3月4日は1933年に変更されるまで新大統領の任期が始まる日だった」と、Qアノンを研究するマルク・アンドレ・アルゼンチンは1月13日にツイートした。

「なぜ彼らはこうした陰謀説を丸ごと信じるのか?トランプは1月7日の演説の終わりに『われわれの偉大な旅は始まったばかりだ』と言った。Qアノンは明らかにこの言葉に飛びついて、自分たちの運動に希望をもたらすために利用している」

トランプが正当な第19代大統領として政権に復帰すると宣言するQアノン支持者の動画もインターネットに多数存在する。

「今日、ジョー・バイデンは第46代アメリカ合衆国大統領に就任した。これは今の憲法に基づいている」と、1月にティックトックに投稿された動画で、ある女性はこう語った。

「1776年に独立宣言が起草され、署名された。1788年に憲法が発効し、1789年には憲法の最初の10条が人権を守る『権利章典』として付け加えられた」

「さて、もともとの憲法では、権力は私たち国民に与えられていた」と、女性はQアノンで人気のスローガンを引き合いに出した。「ある時点で、この権力は国民から連邦政府に売り渡された」

その後、女性は、トランプがバイデンの大統領就任を阻止するために連邦軍を出動させる「反乱法」に署名したという嘘の情報を伝えた。これもQアノンがばらまき、広く信じられている主張のひとつだ。

「これは何を意味するのか。トランプが3月に、オリジナルの憲法に基づいて第19代大統領になることを意味するのだ」

「待ちくたびれたよ」

3月4日という日付は1週間ほど前から、暗号化されるメッセージングサービスのテレグラムでQアノン支持者の議論の的になっていた。テレグラムは、パーラーやツイッターなどの他のソーシャルメディアから追放された陰謀論者のお気に入りだ。

「神は長年にわたってすべてのことを計画してきた」と、デビエ・ブリスコは投稿した。「現大統領のことを愛さなくては。今となってはそれほど長いことではない。3月4日は私たちの勝利のダンスの日になる。私は通りで踊るつもりだ」

テレグラム利用者のBDは、Qアノン・チャンネルの、トランプホテルの値上げを議論するスレッドに投稿した。「(俗語の辞書サイト)アーバンディクショナリーには、3月4日は、夢の達成に向けて取り組む祝日だと書かれている」

だが、Qアノンが来月のことを予測しているからといって、全員がついに何かが起こる、と確信しているわけではない。

「ねえ、質問なんだけど。トランプは戻ってくるのか、戻ってこないのか? いつまで待てばいい?待ちくたびれたよ」と、テレグラム利用者のBKは書いている。「3月4日が過ぎても期待し続けるなんて、理解できない。何かが起こってくれなくちゃ。みんな、そう思わない?」

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中