最新記事

米中対立

バイデン、中国主席と初の電話会談 習近平「対立は悲惨な結果招く」と警告

2021年2月11日(木)17時54分

米ホワイトハウスは、バイデン大統領が10日、大統領就任後初めて中国の習近平国家主席と電話会談したと発表した。米バージニア州の国防総省で代表撮影(2021年 ロイター)

バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は、初の電話会談を行った。バイデン大統領が自由で開かれたインド太平洋の維持が優先課題と強調する一方、習主席は、対立は両国にとって「悲惨な結果」を招くと警告した。

電話会談は、中国時間の11日朝、米国時間では10日夜に行われた。

米中首脳の電話会談は昨年3月以来。それ以降、米中関係は過去数十年で最悪とされてきた。

ホワイトハウスの声明によると、バイデン大統領は「中国の高圧的で不公正な経済的慣行、香港での取り締まり、新疆ウイグル自治区での人権侵害問題、台湾などへの圧力強化が根源的な懸念事項と強調した」。

両首脳は、「新型コロナウイルスのパンデミック対策、世界的な衛生問題、気候変動、兵器の拡散防止という共通の課題について意見を交換」。バイデン大統領は習主席に「自由で開かれたインド太平洋」を守ることを希望すると述べた。

中国外務省の発表文によると、習主席は米中が対立すれば悲惨な結果を招くとし、双方が誤った判断を回避するための手段を再確立する必要があるとの考えを伝えた。

習主席は、協調が唯一の選択肢だと改めて表明し、両国が建設的な方法で問題に適切に対処する必要があるとした。また、両政府は互いの意図を理解し誤解を回避するため、さまざまな対話の枠組みを再確立すべきとの立場を示した。

習主席は、香港や新疆ウイグル自治区、台湾を巡っては、強硬な姿勢を維持。バイデン大統領に対して、「主権や領土保全」の問題であり、米国が慎重に対応することを望むなどとけん制した。

中国外務省によると、主席はバイデン大統領に「米国は『可能性』という言葉で定義できるというが、われわれは、その可能性が中米関係の改善に向いていることを望んでいる」との考えを伝えたという。

台湾当局は、バイデン氏が中国主席との会談で台湾について懸念を表明したことに謝意を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声
・反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン、1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

7月企業向けサービス価格、前年比2.9%上昇 前月

ワールド

米政権、EUデジタルサービス法関係当局者に制裁検討

ワールド

米商務省、前政権の半導体研究資金最大74億ドルを傘

ビジネス

低水準の中立金利、データが継続示唆=NY連銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 7
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 8
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 9
    「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」(東京会場) …
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中