最新記事

アメリカ政治

ジョージア州務長官「選挙結果覆すよう求めるトランプの電話受けるよう強要された」

2021年1月5日(火)09時57分

米南部ジョージア州のラッフェンスパーガー州務長官は、同州での大統領選の結果を覆すよう働き掛けるトランプ大統領からの「不適切」な電話を受けることを強要されたとの認識を示した。(2021年 ロイター)

米南部ジョージア州のラッフェンスパーガー州務長官は4日、同州での大統領選の結果を覆すよう働き掛けるトランプ大統領からの「不適切」な電話を受けることを強要されたとの認識を示した。

米メディアが公開した電話会談に録音によると、トランプ大統領は2日、ラッフェンスパーガー氏に対し、同州の選挙結果を覆すのに十分な票を「見つける」よう圧力を掛けた。

ラッフェンスパーガー氏はABCの番組「グッド・モーニング・アメリカ」で、「大統領と話すのは適切ではないと思ったが、彼が押し付けた。スタッフを使ってわれわれに働き掛けたのだろう。彼らが電話会談を望んだ」と語った。

民主党のテッド・リュウ下院議員とキャスリーン・ライス下院議員は4日、連邦捜査局(FBI)のレイ長官に対し、電話会談の調査を求めた。

両議員は声明で「われわれはトランプ氏が複数の選挙犯罪の勧誘や共謀に関与したと考えている。大統領に対する刑事捜査を直ちに開始するよう求める」とした。

司法省は、両議員の声明についてコメントを控えた。

ラッフェンスパーガー氏と同氏事務所の法務顧問は、1時間に及んだ電話会談でトランプ氏が主張した選挙の不正を否定した。

ラッフェンスパーガー氏は「電話に出て会話をした。彼がほとんど話し、われわれはほとんど聞いていた」とした上で「私が言いたいのは、大統領が持っているデータは単に間違っているということだ。例を挙げると、彼はすでに死亡している人が大勢投票したというが、われわれが見つけたのは2人だった」と語った。

トランプ氏は昨年11月の大統領選での敗北を認めておらず、選挙で不正があったとの主張を展開し続けている。しかし、複数の州や連邦政府の調査、裁判では根拠がないとしてトランプ氏の主張は退けられている。

大統領選では民主党候補のバイデン氏が選挙人306人を獲得(トランプ氏は232人)、得票数でも700万票以上の差をつけてトランプ氏に勝利した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

発送停止や値上げ、中国小口輸入免税撤廃で対応に追わ

ワールド

独製造業PMI、4月改定48.4 22年8月以来の

ビジネス

仏ラクタリスのフォンテラ資産買収計画、豪州が非公式

ワールド

ウクライナ南部ザポリージャで29人負傷、ロシア軍が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中