最新記事

ロシア

プーチン、野党指導者ナワリヌイの毒殺未遂疑惑を否定 「殺害は不要」

2020年12月18日(金)09時12分

ロシアのプーチン大統領は17日の記者会見で、野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏を巡る毒殺未遂事件について、ロシアの情報機関が関与したという説は米国による陰謀で、ナワリヌイ氏は標的になるほどの重要人物ではないと述べた(2020年 ロイター/SPUTNIK)

ロシアのプーチン大統領は17日の記者会見で、野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏を巡る毒殺未遂事件について、ロシアの情報機関が関与したという説は米国による陰謀で、ナワリヌイ氏は標的になるほどの重要人物ではないと述べた。

反プーチン派の中心人物であるナワリヌイ氏は、8月に国内線の旅客機で倒れ、その後ドイツに搬送され治療を受けた。欧州3カ国での検査で神経剤「ノビチョク」が使用されたことが確認されたが、ロシアは関与を否定している。

英調査報道機関「べリングキャット」とロシアメディア「ザ・インサイダー」がCNNなどと共同で行った調査によると、飛行記録や携帯電話の位置情報などから、ナワリヌイ氏を数年にわたって監視してきたロシア連邦保安局(FSB)の暗殺チームが特定されたという。

プーチン氏はこれについて、米国の情報機関からの情報で構成されたものとし、「(ロシアの)指導者を攻撃するためのトリックだ」と一蹴。ナワリヌイ氏が米機関から支援を受けていたと示唆し、ロシア当局が同氏を監視していたのは正しいことだったとも述べた。

一方で、それは同氏に毒を盛る必要があったという意味にはならないとし、「毒を盛るなら、殺害していただろう」と語った。

また、ロシアが開発した新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」については、可能になれば接種を受けると述べた。また、同ワクチンの生産を加速する必要があるとし、一部は海外で生産できるという考えも示した。

さらに、2024年の任期切れに合わせて再び大統領選に出馬するかどうかは、まだ決めていないと語った。

来年2月に期限が切れる米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)については、米側に延長を呼び掛けた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・【調査報道】中国の「米大統領選」工作活動を暴く
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 日本人と参政党
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月21日号(10月15日発売)は「日本人と参政党」特集。怒れる日本が生んだ参政党現象の源泉にルポで迫る。[PLUS]神谷宗弊インタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日本の経済成長率予測を上げ、段階的な日銀利上げ見込

ビジネス

今年のユーロ圏成長率予想、1.2%に上方修正 財政

ビジネス

IMF、25年の英成長見通し上方修正、インフレ予測

ビジネス

IMF、25年の世界経済見通し上方修正 米中摩擦再
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃をめぐる大論争に発展
  • 4
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 8
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 9
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 10
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中