最新記事

バイデン政権

バイデン、政権メンバー人選へ 有力候補は?

2020年11月10日(火)11時05分

外交政策

バイデン氏は就任後に早い段階で、同盟国や対立国との関係を仕切り直すと約束している。同氏はこの任務に当たり、やはり長年、個人的に頼ってきた側近を起用すると予想されている。

選挙陣営での最側近の1人であるアントニー・ブリンケン元国務副長官が国家安全保障担当の大統領補佐官か、国務長官候補に挙がっている。ブリンケン氏は、バイデン氏が長く上院外交委員長だったときに委員会のスタッフだった。バイデン氏が2008年の大統領選を狙った際にもアドバイザーを務めたし、副大統領時代には国家安全保障担当の副大統領補佐官だった。ブリンケン氏は中国など対立が予想される国と対決する際には、米国が海外での断固とした主導的役割を果たすよう提唱してきた。一方で他の国とは協調路線を提言している。

副大統領時代のバイデン氏のもう一人の安全保障担当補佐官で、今回の選挙陣営でも政策を助言してきたジェイク・サリバン氏も、外交のポストに就くとみられている。

オバマ前大統領の大統領補佐官だったスーザン・ライス氏は今回、副大統領候補としても検討されたが、新政権では国務長官の最有力候補と考えられている。ただし、12年のリビア・ベンガジでの米領事館襲撃事件の後、当時国連大使だったライス氏の責任を共和党側が糾弾してきた経緯はある。

上院でバイデン氏の最大の支持者の一人であるデラウェア州選出のクリス・クーンズ議員も国務長官候補だ。

元国防次官のミシェル・フロノイ氏は国防長官の最有力候補。同氏はブリンケン氏と共同でコンサルティング会社を設立している。

気候変動

バイデン氏のチームは気候変動問題に取り組むとの選挙公約を果たすため、気候問題の責任者ポストを指名する可能性を検討している。

候補はバイデン氏の昔からの友人で元上院議員のジョン・ケリー氏や、ブライアン・ディーズ氏。両氏ともバイデン氏が復帰する意向のパリ協定を巡り、かつて交渉を支援した経験がある。

ワシントン州知事のジェイ・インズリー氏が指名される可能性もある。同氏は気候変動問題の政策をひっさげて民主党の大統領候補予備選で一時、バイデン氏と戦ったが、撤退後はバイデン氏のアドバイザーになった。

気候変動問題でもう一つの重要ポストである米環境保護局(EPA)長官は、環境活動家のヘザー・トネイ氏、元行政管理予算局(OMB)副局長のアリ・ザイディ氏、カリフォルニア州大気資源局のメアリー・ニコルズ局長が候補に挙がっている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・人民日報、「大差で勝った」と言い張るトランプを笑う
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力


ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、2.7万件減の19.1万件 3

ワールド

プーチン氏、インドを国賓訪問 モディ氏と貿易やエネ

ワールド

米代表団、来週インド訪問 通商巡り協議=インド政府

ワールド

イスラエル、レバノン南部を攻撃 ヒズボラ標的と主張
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 8
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 9
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 10
    白血病細胞だけを狙い撃ち、殺傷力は2万倍...常識破…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中