バイデン、政権メンバー人選へ 有力候補は?
外交政策
バイデン氏は就任後に早い段階で、同盟国や対立国との関係を仕切り直すと約束している。同氏はこの任務に当たり、やはり長年、個人的に頼ってきた側近を起用すると予想されている。
選挙陣営での最側近の1人であるアントニー・ブリンケン元国務副長官が国家安全保障担当の大統領補佐官か、国務長官候補に挙がっている。ブリンケン氏は、バイデン氏が長く上院外交委員長だったときに委員会のスタッフだった。バイデン氏が2008年の大統領選を狙った際にもアドバイザーを務めたし、副大統領時代には国家安全保障担当の副大統領補佐官だった。ブリンケン氏は中国など対立が予想される国と対決する際には、米国が海外での断固とした主導的役割を果たすよう提唱してきた。一方で他の国とは協調路線を提言している。
副大統領時代のバイデン氏のもう一人の安全保障担当補佐官で、今回の選挙陣営でも政策を助言してきたジェイク・サリバン氏も、外交のポストに就くとみられている。
オバマ前大統領の大統領補佐官だったスーザン・ライス氏は今回、副大統領候補としても検討されたが、新政権では国務長官の最有力候補と考えられている。ただし、12年のリビア・ベンガジでの米領事館襲撃事件の後、当時国連大使だったライス氏の責任を共和党側が糾弾してきた経緯はある。
上院でバイデン氏の最大の支持者の一人であるデラウェア州選出のクリス・クーンズ議員も国務長官候補だ。
元国防次官のミシェル・フロノイ氏は国防長官の最有力候補。同氏はブリンケン氏と共同でコンサルティング会社を設立している。
気候変動
バイデン氏のチームは気候変動問題に取り組むとの選挙公約を果たすため、気候問題の責任者ポストを指名する可能性を検討している。
候補はバイデン氏の昔からの友人で元上院議員のジョン・ケリー氏や、ブライアン・ディーズ氏。両氏ともバイデン氏が復帰する意向のパリ協定を巡り、かつて交渉を支援した経験がある。
ワシントン州知事のジェイ・インズリー氏が指名される可能性もある。同氏は気候変動問題の政策をひっさげて民主党の大統領候補予備選で一時、バイデン氏と戦ったが、撤退後はバイデン氏のアドバイザーになった。
気候変動問題でもう一つの重要ポストである米環境保護局(EPA)長官は、環境活動家のヘザー・トネイ氏、元行政管理予算局(OMB)副局長のアリ・ザイディ氏、カリフォルニア州大気資源局のメアリー・ニコルズ局長が候補に挙がっている。
【話題の記事】
・人民日報、「大差で勝った」と言い張るトランプを笑う
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力