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2020米大統領選

バイデン、新政権始動へ準備 コロナ対応・分断修復が柱

2020年11月9日(月)09時43分

米次期大統領への当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、勝利宣言から一夜明けた8日、新型コロナウイルス危機への対応や大きく分断された社会の修復に向けた計画の推進に動き出している。写真右は、バイデン夫人のジルさん。7日、地元デラウェア州のウィルミントンで撮影(2020年 ロイター/Jim Bourg)

米次期大統領への当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、勝利宣言から一夜明けた8日、新型コロナウイルス危機への対応や大きく分断された社会の修復に向けた計画の推進に動き出している。

共和党のトランプ大統領は依然として敗北を認める姿勢を見せず、法廷闘争を進める構えだ。議会の共和党トップも8日の時点でまだバイデン氏の勝利を認めておらず、バイデン氏が来年1月20日の大統領就任後に共和党との連携で困難に直面する可能性を示唆する格好となった。

バイデン陣営のケイト・ベディングフィールド選対副本部長は8日、NBCの番組で「仕事は直ちに始まる」と述べ、バイデン氏が9日に、ビベック・マーシー元医務総監とデビッド・ケスラー元米食品医薬品局(FDA)長官が率いる新型コロナ対策本部を立ち上げる意向だと明らかにした。

また「(バイデン氏は)国の結束を図る使命に取り組み、選挙戦での辛辣な言葉を脇に置いて国を治める大きな仕事に着手する」と強調した。

バイデン氏は政権メンバーの人選にも取り掛かる。関係筋が明らかにしたところによると、国家情報長官(DNI)や米中央情報局(CIA)長官の候補として元情報当局高官のマイケル・モレル氏やアブリル・ヘインズ氏の名前が挙がっている。

バイデン氏はこのほか、イスラム圏からの入国禁止措置の撤回や国際的な気候変動協定への復帰、世界保健機関(WHO)への復帰、幼少期に親と米国に不法入国した若者「ドリーマー」に対する保護強化などに向けて大統領令に署名する考えを示してきた。バイデン氏の顧問によると、同氏は就任後、早期にこれらを実行に移す意向という。

一方、トランプ大統領は8日、選挙の信頼性に疑問を投げかけるコメンテーターの見解をツイート。「今回の選挙は盗まれた」などとする投稿もあり、ツイッターは注意喚起を表示した。

トランプ氏は「いつからメディアが次期大統領を決めることになったんだ」と書き込み、バイデン氏の勝利を報じた主要メディアを批判した。

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