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2020米大統領選

アメリカ大統領選挙、バイデンが勝利宣言「団結させる大統領になると誓う」

2020年11月8日(日)12時15分

米大統領選を制した民主党候補のジョー・バイデン前副大統領は演説し、勝利を宣言した。バイデン氏は「分断させる大統領ではなく、団結させる大統領になることを誓う」と述べた。デラウェア州ウィルミントンで撮影(2020年 ロイターJim Bourg)

大接戦となった米大統領選は7日、民主党のジョー・バイデン候補が共和党の現職ドナルド・トランプ候補を破って勝利した。バイデン氏はデラウェア州で演説し、勝利を宣言した。トランプ氏はなお敗北を認めていないものの、全米の主要都市でバイデン氏の支持者が歓声を上げた。

バイデン氏は地元ウィルミントンの駐車場で演説し、「米国民は声を上げ、はっきりした勝利を届けてくれた」と語った。その上で、「分断させる大統領ではなく、団結させる大統領になることを誓う」と述べた。

来年1月の就任時に78歳となるバイデン氏は、過去最高齢で第46代の大統領となる。上院議員を半世紀、オバマ政権では副大統領を務めた。新型コロナの感染拡大が止まらず、経済が減速し、人種差別と警官の暴力に対する抗議が広がる中、分断が深まる米国の舵を取ることになる。

バイデン氏は選挙で戦った共和党陣営に和解を呼びかけ、「米国にとって癒しのときだ」と語った。演説には上院議員のハリス副大統領候補も登壇。ハリス氏は初の女性かつ初の黒人、そして初のアジア系の副大統領となる。

米大手メディアの委託で開票情報をまとめているエジソン・リサーチによると、バイデン前副大統領は激戦州の1つであるペンシルべニア州を制し、新たに20人の選挙人を獲得。これで同氏の獲得総数は273となり、勝利に必要な270人を超えた。さらにネバダ州も取り、279人まで上積みした。トランプ氏の獲得数は214人となっている。

トランプ氏がゴルフ中に一報

主要メディアがバイデン氏の勝利を伝えた瞬間、ゴルフをしていたトランプ氏は、「偽って勝利したふりをしている」と即座にバイデン氏を非難。「選挙はまだ終わらない」との声明を出した。

3日に投開票された大統領選は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて郵便投票が増加し、激戦州の大勢が判明するまでに時間がかかっていた。

郵便投票には不正があると主張してきたトランプ大統領は、複数の州で訴訟を起こしている。しかし、各州の選挙責任者は、郵便投票に不正の証拠はないとしている。また、法律の専門家は、トランプ氏の試みが成功することはないとしている。

バイデン氏の側近らが滞在するホテルでは、大きな歓声が響き渡った。直接の接触を避けるため、握手の代わりに肘を突き合せたり、抱き合う真似をして喜びを分かち合い、側近の1人は「ずっと待っていたかいがあった」と語った。

バイデン氏は主に女性、アフリカ系アメリカ人、大卒の白人、都市部の有権者に支えられてきた。

首都ワシントンでは、バルコニーに出て叫んだり、自動車のクラクションを鳴らすなど、市内各地で歓喜の声が聞かれた。ニューヨーク市のブルックリンでは拍手が沸き起こり、バイデン氏勝利の一報に叫ぶ者もいた。

一方、分断した社会を象徴するように、ミシガン、ペンシルべニア、アリゾナの各激戦州では、憤ったトランプ支持者が州政府の庁舎前に集まり、「選挙を盗むな」と抗議した。アリゾナ州の州都フェニックスでは、「トランプ勝利」、「監査が必要だ」、「われわれは法廷で勝つ」などと声を上げた。

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