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ブレグジット

コロナに感染でブレグジット交渉中断、あおりを受けてフィッシュ&チップスが食卓から消える?

2020年11月26日(木)12時40分
松丸さとみ

そんなグリーンランドが、英国の窮地を救うために立ち上がったのだ。エクスプレス紙によると、スティーン・リンゲ外相は英国のリズ・トラス国際貿易相に対し、英国が魚介類を確保できるよう貿易交渉を始めようと働きかけたという。

リンゲ外相は同紙に対し、「私たちは長きにわたり、英国に愛着を抱いているんです。英国の音楽、テレビ番組、映画、プレミア・リーグはすべて、グリーンランドでよく知られている上、愛されています」と話した。さらに、英国でもっとも有名な国民食フィッシュ&チップスのために、最高級品となる魚を提供すると申し出たという。

フィッシュ&チップス店、このままでは廃業続出?

グリーンランドは現在、英国に魚介類約9000トン、フィッシュ&チップスで主に使用されるタラは3000トン以上を輸出している。英国でのフィッシュ&チップスの消費量は年間約1億6700万食だが、うち1300万食以上がグリーンランドから供給された魚だ。FTAを締結しなかった場合、EUの一員でなくなる英国にはこれに関税がかかってくるため、フィッシュ&チップスの価格は20%以上値上がりするとみられている。

フィッシュ&チップスの業界団体NFFFのアンドリュー・クルックス会長はエクスプレス紙に対し、国内のフィッシュ&チップス店の多くは、この値上げに耐えられるだけの利ざやを取っていないため、廃業に追い込まれるだろうと述べた。また安定したタラの供給がなければ、昔ながらのフィッシュ&チップス店は生き残るために、ハンバーガーやケバブなど取り扱い商品の多角化を迫られるだろうと話した。

NFFFはこうしたことから、グリーンランドと貿易協定を結ばないと、数千人の雇用が失われる可能性があると予測している。

インディペンデント紙によると、グリーンランド経済にとっても、魚介類の輸出は重要な位置を占めている。現在のところグリーンランドと英国の間に正式な貿易協定は締結されていないが、漁業で協力するという覚書は11月9日に交わされており、今後さらに話し合いが進むとみられている。

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