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中国ダムは時限爆弾なのか

その数333基、世界一のダム輸出国・中国の「無責任」

AN IRRESPONSIBLE DAM BUILDER

2020年10月7日(水)16時45分
譚璐美(ノンフィクション作家)

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例年なら雨期にメコン川からの水で満たされるのだが(2020年7月) PRAK CHAN THUL-REUTERS

その影響で、メコン川下流域で昨夏、深刻な水不足が発生した。7月に中国が干ばつに備えて景洪ダムの放水量を半分に減らした上、同じ時期にラオスのサイヤブリ・ダムも試運転を始めたため、メコン川の水位が過去100年で最低レベルまで低下したのだ。

下流域の稲作地帯が広範囲に干上がり、漁獲量が減少。ASEAN諸国が中国に速やかな放流を強く求める事態となった。メコン川下流域の人々には死活問題だ。

18年、メコン川委員会は持続可能性調査を行い、「2040年までに計画中の11のダムと支流の100以上のダムが完成すれば、生態系、経済、食料安全保障への深刻な影響が生じる」と報告した。

ダムが全て建設されれば、食糧生産地であるメコンデルタ地域では栄養豊富な土壌の供給が97%減少し、農業に著しい悪影響が出る。ベトナムとカンボジアで「海岸浸食」が進む一方、回遊魚の遡上が寸断されて生態系が損なわれ、メコン川全体の漁獲量が40~80%減少すると予想した。

中国が国外で行うダム建設は、しばしば世界中の新興国に重い債務を負わせ、環境破壊や地域の「水争い」を助長する原因になっている。

<2020年10月13日号「中国ダムは時限爆弾なのか」特集より>

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