最新記事

トランプ健康状態

トランプは肺を病んでいる──8秒間の「息切れ」動画が語る多くのこと

Doctors Say Trump Was Not Breathing Normally.

2020年10月8日(木)15時35分
カシュミラ・ガンダー、スー・キム

回復ぶりをアピールしようとしたが、苦しげな様子が目につく結果に(10月5日、ホワイトハウス) Erin Scott -REUTERS

<退院直後の動画を見た専門家は「肺の機能に問題あり」と断言>

新型コロナウイルスに勝ったとばかり、「勝利宣言」をしながら、苦しげに肩で息をするドナルド・トランプ米大統領。ネット上で話題になった動画を見た複数の専門家が、どう見ても肺が正常に機能しているとは思えないと、本誌に語った。

トランプは10月1日に受けた新型コロナウイルス感染症の検査で陽性と分かり(当初は公表せず)、翌2日に首都ワシントン郊外のウォルター・リード国立軍医療センターに入院した。そして週明けの5日には早くも退院してホワイトハウスに戻ると、バルコニーに立ってマスクを外し、親指を立てる得意のゼスチャーをして、凱旋将軍よろしく敬礼をして見せた。

退院前のツイートでも「とても気分がいい」、「20年前より元気だ!」と回復ぶりをアピールしたが、健康不安は否めない。

5日に行われた記者会見で、トランプの主治医ショーン・コンリーは歯切れの悪い口ぶりだった。トランプは「まだ完全に危機を脱していないかもしれない」が、容体は「改善し続けている」というのだ。

この日に本誌が複数の専門家に確認したところ、最初に症状が出てから7〜10日の状態が回復に向けた重要な目安になるという。その頃に一気に容体が悪化することがあるためだ。

息苦しさは明らか

記者会見でコンリーは、大統領の体温が平熱に戻ってから72時間以上経過しており、血中酸素濃度も呼吸も正常だと主張した。

だがソーシャルメディアでは、退院は無謀だとのコメントが飛び交った。連邦下院議員のテッド・リウも見るからに苦しげなトランプの動画をツイッターに投稿した。「トランプはツイッターでウイルスの猛威を軽く見せようとしたが、この8秒間の動画で、その努力が吹き飛んだ。この動画では、彼は息を切らしてあえいでいる。このウイルスがどれほど呼吸を困難にし、肺にダメージをもたらすか、これを見て多くのアメリカ人が痛感したはずだ」

心血管と肺の疾患を専門とするニューヨークの臨床医ノア・グリーンスパンはこの動画について、「これは、私が考える正常な、全く(無理のない)呼吸とは明らかに違う」と、本誌にメールでコメントした。

グリーンスパンによれば、トランプは8秒間に3回呼吸しており、1分間では22.5回することになる。正常な呼吸は1分間に12〜20回とされる。

「本人が隠したくても、もろに出てしまった重要な兆候は、明らかに呼吸補助筋を使っていることだ」と、グリースパンは指摘する。それによれば、健康な人が呼吸補助筋を使うのは激しい運動をしたときだけで、通常は主に横隔膜の収縮で肺に空気を吸い込む。トランプのように、ただ立っているだけで、肩が激しく上下動するようなことはない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イエメン分離派、独立問う住民投票2年以内に実施と表

ワールド

アングル:戦時下でも「物流を止めるな」 ウクライナ

ワールド

メキシコ南部でM6.5の地震、首都でも揺れ 大統領

ワールド

再送ウクライナ北東部ハルキウの集合住宅に攻撃、2人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 4
    感じのいい人が「寒いですね」にチョイ足ししている…
  • 5
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 3
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中