最新記事

事件

米ミシガン州知事の誘拐計画容疑で13人逮捕 議事堂襲撃まで計画した武装集団「ウルバリン・ウォッチメン」とは

2020年10月9日(金)11時18分

米検察当局は8日、ミシガン州のウィットマー知事(写真)の誘拐と州議会議事堂への攻撃を企てた容疑で13人を逮捕したと発表した。同州ミッドランドで5月撮影(2020年 ロイター/Rebecca Cook)

米検察当局は8日、ミシガン州のウィットマー知事(民主党)の誘拐と州議会議事堂への襲撃を企てた容疑で13人を逮捕したと発表した。

同知事の誘拐は11月3日の米大統領選前の実行を計画しており、爆発物の使用も検討していたとみられる。

13人のうち6人は、知事誘拐未遂で有罪判決が下れば、終身刑が言い渡される可能性がある。残りの7人は「ウルバリン・ウォッチメン」と呼ばれる武装集団のメンバーという。

ウィットマー知事は、新型コロナウイルス対応などを巡り、トランプ大統領が過去に批判の矛先を向けていたことで知られる。

検察によると、容疑者らは当初、州議会議事堂に押し入って人質を取る目的で200人の協力者を集めようとしていたが、その後計画を断念。代わりにウィットマー知事の別荘で知事を誘拐する画策をしていた。

ウィットマー知事は会見で、「異常で卑劣な」容疑者のような過激派グループを扇動したとしてトランプ大統領を非難。トランプ氏が先週の大統領候補討論会で白人至上主義者の糾弾を避けたことを例に挙げた。

知事は「指導者が自国内のテロリストを扇動し、親しく交われば、指導者は彼らの行動を合法化し、加担したことになる」と語った。

これに対し、ホワイトハウスのマクナニー報道官は声明で、トランプ氏はあらゆる憎しみを糾弾していると反論。「ウィットマー知事は奇妙な主張をすることで分断の原因を作っている」とした。

検察によると、連邦捜査局(FBI)は今年初めにソーシャルメディアを通じ、複数の州政府の「暴力による転覆」を検討しているグループの存在を把握し、極秘に彼らの動きを追跡していた。

当局の文書によると、「ウルバリン・ウォッチメン」は2019年11月からフェイスブック上でメンバーを募集していた。

ミシガン州は今年の大統領選の激戦州のひとつ。春には新型コロナ対策としてウィットマー知事が導入した制限措置にトランプ氏とその支持者が反発。制限緩和を求めて4月に起きたデモには武装集団のメンバーも参加していた。トランプ氏はツイッターでデモ参加者に対し「ミシガンを解放せよ」と呼び掛けていた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


ニューズウィーク日本版 2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月7日号(9月30日発売)は「2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡」特集。投手復帰のシーズンも地区Vでプレーオフへ。アメリカが見た二刀流の復活劇

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザ和平案第一段階の「即時実行」準備

ワールド

自民総裁選きょう投開票、決選にもつれ込む公算 夕方

ビジネス

米国株式市場=ダウ・S&P最高値更新、ハイテク下げ

ワールド

トランプ氏、オレゴン州最大都市への支援削減検討を指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 3
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 4
    MITの地球化学者の研究により「地球初の動物」が判明…
  • 5
    謎のドローン編隊がドイツの重要施設を偵察か──NATO…
  • 6
    「吐き気がする...」ニコラス・ケイジ主演、キリスト…
  • 7
    「テレビには映らない」大谷翔平――番記者だけが知る…
  • 8
    墓場に現れる「青い火の玉」正体が遂に判明...「鬼火…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 10
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 5
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 6
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 7
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中