最新記事

米司法

トランプ、最高裁判事に保守派バレット連邦控訴裁判事を指名意向

2020年9月26日(土)20時07分

トランプ米大統領が最高裁判事に保守派のエイミー・バレット連邦控訴裁判事(写真)を指名する意向と、CNNが25日、共和党筋の情報として報じた。写真は19日、ノートルダム大学から入手(2020年 ロイター/Matt Cashore/Notre Dame University/Handout via REUTERS)

18日に死去したギンズバーグ連邦最高裁判事の後任に、トランプ米大統領が保守派のエイミー・バレット連邦控訴裁判事(48)を指名する意向であることが、関係者2人の話で明らかになった。

トランプ大統領は26日、ホワイトハウスで正式に候補の紹介を行う予定。関係者2人は匿名を条件に、大統領がバレット氏を指名する意向だと明らかにした。ただ、翻意する可能性もあるという。

トランプ氏は25日、記者団に対し、すでに決断したと述べたが、誰に決めたかは明かさなかった。


バレット氏は、トランプ大統領が2017年にシカゴに本部を置く第7巡回区連邦控訴裁の判事に指名した。アトランタに本部を置く第11巡回区控訴裁のバーバラ・ラゴア氏と共に最高裁判事の有力候補と見られていた。

トランプ大統領による最高裁判事の指名は3人目。バレット氏の指名が承認されれば、女性としては5人目の最高裁判事となる。また、保守派判事はリベラル派に対し6対3の割合となり、最高裁の保守化が進む。

バレット氏はトランプ大統領の重要な支持基盤であるキリスト教保守派の間で支持が強い。

リベラル派の間では、バレット氏が最高裁判事になれば、人口妊娠中絶の権利を認めた1973年の「ロー対ウェイド」判決が覆される可能性が高まると懸念の声が広がっている。

バレット氏は控訴裁判事就任後の3年間に、トランプ大統領の強硬な移民政策の1つを支持したほか、銃を持つ権利にも支持を表明するなど、激しい論争を呼ぶ問題で保守的な法的見解を打ち出してきた。

最高裁判事の人事は議会上院(定数100)の承認が必要だが、共和党が過半数の53議席を握る。民主党は大統領選前の承認に反対しているが、上院共和党で選挙前の承認手続きに反対の立場を示した議員は2人にとどまっている。

*バレット判事の経歴などを追加しました

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・米中新冷戦でアメリカに勝ち目はない
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?


ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米政界の私的チャット流出、トランプ氏の言

ワールド

再送-カナダはヘビー級国家、オンタリオ州首相 ブル

ワールド

北朝鮮、非核化は「夢物語」と反発 中韓首脳会談控え

ビジネス

焦点:米中貿易休戦、海外投資家の中国投資を促す効果
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 8
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 9
    【ロシア】本当に「時代遅れの兵器」か?「冷戦の亡…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中