最新記事

異常気象

24時間で約40度の気温変化に見舞われた米コロラド州

Colorado Temperatures Swing Over 60 Degrees in 24 Hours

2020年9月9日(水)18時15分
マシュー・インペリ

衛星写真で見た9月6日のキャメロン・ピークの山火事 ©2020 Maxar Technologies/ REUTERS

<2カ月以上も猛暑と山火事に見舞われていたはずの米コロラド州が、翌日真冬になった>

コロラド州の気候は9月8日、記録破りの猛暑から観測史上屈指の早い降雪に様変わりした。1日のうちに摂氏で約37度以上、気温が変化したのだ。

大きく南下したジェット気流により気温が大幅に下降するため、コロラド州全域で雪は降り続くとウェザー・ドット・コム(Weather.com)は予想する。コロラド南部のニュース専門テレビ局KOAAの気象予報士は、8日は雨と雪になると予想しており、夜間には天候がさらに悪化すると見ている。

コロラド州の複数の地域では、米国立気象局(NWS)が、吹雪の警報と注意報を発令した。

「吹雪警報と冬季気象警報は、州全域で今夜(8日)から9日未明まで発令される」とNWSのボルダー支局はツイートした。「記録的な低温も予想されることから、低温注意報および警報も発令される」

コロラド州プエブロのNWS支局も同様のツイートを投稿し、低温警報が発令されたと住民に注意を促した。


「8日午前に大幅に温度の低い寒気が流れ込むため、8日から9日未明にかけて、コロラド州各地で氷点下の気温が予想され、低温警報が発令された」とNWSプエブロ支局は書いている。

猛暑から寒波へ

気象予報会社アキュウェザーは、コロラド州の8日の気温は、摂氏約0.6度から摂氏約2.2度の低温になると予想する。デンバーで観測史上もっとも早い降雪は1961年の9月3日で、その年は4.2インチ(約10.7センチ)の積雪があった。

そればかりではない。コロラド州では直前まで猛暑が続いていた。9月7日のレイバーデーには、デンバーの気温は華氏101度(摂氏約38.3度)に達した。73日連続で華氏90度(摂氏約32.2度)超えとなり、2012年の記録に並んだ。

8日以前のコロラド州では、猛暑により各地で複数の山火事が発生していた。6日から7日にかけては、コロラド北部のキャメロン・ピークの山火事が2万5000エーカー近く燃え広がり、焼失面積は5万9000エーカー(約240平方キロメートル)に達している。

(翻訳:ガリレオ)

<参考記事>カリフォルニア州デスバレーで54.4℃ 世界最高記録の可能性
<参考記事>ムール貝、異常な熱波で自然調理されてしまう

【話題の記事】
巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開
台湾のビキニ・ハイカー、山で凍死
【動画】集中豪雨により氾濫する長江

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪中銀、予想通り政策金利据え置き インフレリスク警

ワールド

EU、環境報告規則をさらに緩和へ 10日草案公表

ワールド

中国外相「日本が軍事的に脅かしている」、独外相との

ワールド

焦点:米政権の燃費基準緩和、車両価格低下はガソリン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 10
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中