最新記事

米中対立

米中関係どん底へ バイデン大統領が誕生なら改善するか?

2020年8月1日(土)18時17分

対中強硬姿勢はデフォルト

米国が中国に強い態度で臨むことは今や、党派を超えたデフォルト(規定)路線だ。「バイデン政権」もこれを踏襲し、特に人権問題では今以上に強硬な姿勢を示すとみられている。

ただ、バイデン氏が大統領に就けば、対話に前向きになる可能性はある。選挙陣営関係者らによると、バイデン氏は米国の競争力、技術革新力、インフラの強化に再投資し、「米国の強さ」を打ち出す立場だからだ。

オバマ前政権とトランプ政権初期に東アジア外交の責任者を務めたダニエル・ラッセル氏は「中国は、バイデン氏が勝てば米国の中国認識が転換するという幻想は抱いていないようだ。しかし新政権に対話を申し出る可能性は高いだろう」と語る。

バイデン、トランプ両陣営はいずれも、中国が応援するのは相手方だと主張している。

トランプ陣営の幹部、ティム・マートー氏は、中国は間違いなくバイデン氏を応援していると指摘。「バイデン氏はワシントンでの47年間、一貫して中国に譲歩し、彼らの利益を押し上げてきた実績がある」とした。

一方、バイデン氏陣営の報道官、アンドリュー・ベーツ氏は、「中国に関し、米国史上最も弱い大統領」であるトランプ氏が政権に就いてから、中国は「やりたい放題」だと語った。

中国の一部高官とアナリストによると、中国は今後数カ月間、米国との緊張を制御し、必要な時だけ報復するという基本姿勢で臨む構えだ。

米国が最近、中国の南シナ海での権益主張を違法と言明したのに対し、中国側が比較的落ち着いた対応を取ったことなどに、この「我慢」アプローチが反映されている。

ただ中国は、米国で反中感情が高まる大統領選期間中に対話をしても成果は乏しいとみているため、積極的に対話を呼びかけることはなさそうだ。

中国人民大学の時殷弘教授は「中国はトランプ氏の中国批判と対中制裁に憤っている」と指摘。「中国はトランプ氏の政治的地位が国内で揺らぎ、それゆえ彼の価値が落ちたことを察知している」とも述べた。


Keith Zhai Michael Martina Tony Munroe



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・ヒューストンの中国総領事館はコロナ・ワクチンを盗もうとしていた?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・中国・三峡ダム、警戒水位を16m上回る 長江流域で支流河川に氾濫の恐れ、住民数千人が避難路
・世界が激怒する中国「犬肉祭り」の残酷さ


20200804issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザで燃料・食料が枯渇寸前、イスラエルによる検問所

ワールド

イラン紛争、レバノンに拡大 クウェートが米軍機を誤

ワールド

イラン作戦、「終わりのない戦争」ではない=米国防長

ビジネス

豪中銀、3月利上げあり得る 総裁「毎回ライブ会合」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 7
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 8
    【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    【トランプ関税はまだ序章】新関税で得する国・損す…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中