最新記事

感染第2波

韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か

2020年8月21日(金)17時16分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

映画界、観客動員が1日で3分の1に

もちろん、演劇業界だけでなく韓国映画業界も大きなダメージを受けている。韓国映画振興委員会の発表では、1日あたりの全国観客動員数が、今月17日は約40万5千人だったのに対し、翌18日は約14万5千人と落ち込んだ。これは8月の最低観客動員数を更新したことになる。17日は振替休日だったということもあるが、このまま観客が映画館に戻らなければ、せっかく映画関係者たちが割引クーポンや名作上映、貸し切りイベントなどで何とか危機を乗り越え、やっと上向きになってきた客足をすべて無駄にしてしまいかねない。

客足が遠のきそうな雰囲気を察知して、19日公開予定だった韓国映画『国際捜査』は関係者試写会及び公開を延期した。2092年を舞台にした韓国発宇宙系SF大作として注目を集める映画『SPACE SWEEPERS(原題:勝利号)』は、制作報告記者会見を急遽オンラインで行った。今のところ9月23日の公開で決定されているが、今後の感染拡大の動きによってはまだどうなるかは未定である。

映画といえば大小さまざまな映画祭のある韓国だが、今年はほぼオンライン映画祭に変更されていた。そんな中、やっとオフラインでの映画祭に切り替わるかと期待されていた「EBS国際ドキュメンタリー映画祭」も、第2波コロナショックで予定の変更を余儀なくされた。

これまでの感染対策が振り出しに

韓国は、これまで国民一丸となってコロナの抑え込みに成功していた。エンタメ業界も徐々に復活の兆しを見せ始めるなど、嬉しいニュースを目にすることが増えてきたのも束の間、一部の身勝手な人たちによる行動でまた振出しに戻ってしまった。

筆者の映画関係のたくさんの友人たちも、エンタメの灯を消してなるものかと、廃業寸前に追い込まれながら歯を食いしばって頑張ってきていたた。サラン第一教会はウイルスをまき散らすことによって、人の人生を狂わせる行為をしている自覚はあるのだろうか?


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200825issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は3日ぶり反発、景気敏感株に物色 トヨタ自

ビジネス

日鉄が中期計画、30年度に実力利益1兆円以上 設備

ワールド

ロシア、ウクライナのドローン90機撃墜

ビジネス

中国万科 、国内社債の償還1年延期を要請 2本目=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 4
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 5
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 6
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 7
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 8
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中