最新記事

テロ

フィリピン南部で連続爆弾テロ 兵士や市民など15人超死亡か、負傷者も多数

2020年8月24日(月)22時25分
大塚智彦(PanAsiaNews)

フィリピン南部ホロ市内で連続爆弾テロが発生。2度目の爆発は自爆テロとみられている。 REUTERS/Nickee Butlangan

<最近は活動資金を得るため外国人の誘拐などをしているイスラム系テロ組織の犯行か──>

フィリピン南部スールー州の州都ホロ市内で24日昼、連続して2回の爆発があり陸軍兵士や警察官、市民ら少なくとも15人が死亡し、約70人が負傷する事件があった。地元警察や陸軍によると、2回の爆発はいずれも「即席爆発装置(IED)」によるものとみられ、爆弾テロ事件として捜査を開始したとしている。

フィリピンの各メディアは速報でこのテロ事件を伝えているが、現在もなお情報が錯綜しており、死傷者数については今後も増える可能性があるという。

24日午前11時53分、ホロ市ワレド地区セランテス通りにある食料品店「パラダイス」の前、「シンタックス・コンピューター・センター」の横に駐車していた陸軍のトラックの横でバイクが突然爆発したという。

目撃者などの情報では兵士を乗せたトラックが駐車した後に正体不明の男性がバイクを運転してきて現場に到着。トラックの近傍にバイクを駐車して去ったという。

兵士らがトラックから下車して周囲に集まっていたところ、突然バイクが爆発したという。

この爆発で「フィリピン・スター紙」電子版は兵士6人、警察官1人、市民4人の11人が死亡し、兵士18人、警察官6人、市民19人の少なくとも43人が負傷したと伝えた。また別のメディアでは少なくとも15人が死亡し、約70人が負傷したと伝えている。

軍関係者はバイクにはIEDとみられる爆弾が取り付けられており、運転してきた男が現場近くから遠隔操作で起爆させたものとみて、この男の行方を追っている。

またこの爆発から約1時間後の午後12時57分には最初の現場から約100メートル離れたマウント・カルメル大聖堂とゴテックレン・ビルがある付近で2回目の爆発があり、兵士1人が死亡し、兵士2人警察官6人が負傷した。2回目の爆発は女性が抱えていたIED(地雷などに簡易な起爆装置を取り付けた即席爆弾)を起爆して死亡した「自爆テロ」とみられている。


【話題の記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ債の域外投資家純購入額、6月は598億ユーロ

ビジネス

6月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比3%

ビジネス

7月貿易収支は1175億円の赤字=財務省(ロイター

ワールド

EXCLUSIVE-米政権がTikTokアカウント
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 7
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 10
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 3
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 4
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 7
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 8
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中