最新記事

動物

韓国、水族館のイルカショーで虐待議論 「素人のお客」乗せてストレス死も?

2020年7月13日(月)21時15分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

コジェ・シー・ワールド側は「イルカの背中の上で踊ったりしても平気だ」との見解だが…… SBS/YouTube

<かつては日本から輸入したイルカたちも......>

日本でも人気の高い水族館の花形イベントと言えばイルカショーだ。しかし、韓国のある水族館で今このイルカショーにまつわる騒動が話題となっている。

問題になっている水族館は、釜山の南西に位置する巨済島(コジェド)にある「コジェ・シー・ワールド」だ。2014年7月にオープンし、「韓国最高のイルカテーマパーク」と自ら銘打っているように、イルカとシロイルカのショーやふれあいを目玉にした水族館である。

ところが、このイルカとのふれあいが波紋を呼んでいる。コジェ・シー・ワールドでは様々なプログラムを設け、イルカやシロイルカと泳いだり写真を撮ったりできる。その中の一つに一般人がイルカやシロイルカにまたがって乗れるプログラムがあるのだが、これが動物虐待ではないかと騒動になっている。このように一般人がイルカやシロイルカの上に乗ることは、体験料20万ウォン(約2万円)を払えば可能なのだという。

また、イルカショーの出し物でトレーナーが、シロイルカの背中の上に乗って軽くジャンプするように踊りながら踏みつけ水上移動している動画がSNSにアップされると更なる批判を浴びた。

毎年1頭以上のイルカが死亡

オンライン上で話題になると、早速6月18日には韓国大統領府のウェブサイトに国民からの訴えを投稿できる"国民請願"へ「絶滅の危機にあるシロイルカをサーフィンボードのように乗って遊ぶ金儲け行為。本当に大韓民国は先進国なのだろうか」というインパクトの強い文章で取り締まりを求める請願が投稿され、続いて26日には韓国の動物愛護市民団体を中心にコジェ・シー・ワールド閉館を求めるデモまで行われた。

この流れを受け、コジェ・シー・ワールドは公式ホームページトップ画面に公式説明文を公開したが、「(イルカにとって)世界基準の環境を提供している。動物虐待ではない」と閉館はもとより、プログラムの廃止も行わない立場を公表した。現在もイルカに乗れるプログラムは運営中だ。

この問題がニュースなどでも取り上げられ始めると、今度はコジェ・シー・ワールドでのイルカの死亡率の高さも発覚し大きく報道されるようになった。

コジェ・シー・ワールドでは、開館した翌年の2015年から今まで毎年1頭以上のイルカが死んでいる。開館に伴い当時コジェ・シー・ワールドは16頭を輸入したが既に9頭が死亡し、現在コジェシーワルドに残っているイルカはたった7頭だ。

動物愛護団体は、「コジェ・シー・ワールドはイルカの墓場だ」とし、「死亡率の高さは、イルカのふれあいプログラムによってストレスを受けているからだ」と訴えている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア・ウクライナ復活祭停戦、発効数時間で双方が違

ワールド

米イラン協議決裂、核・ホルムズ海峡で溝埋まらず 停

ワールド

中国、台湾向け観光規制緩和など新措置 野党党首訪中

ビジネス

円高につながる金融政策、「一つの選択肢」=赤沢経産
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけない副作用に研究者が警鐘
  • 2
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦によって中国が「最大の勝者」となる理由
  • 3
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 4
    中国が恐れる「経済ドミノ」
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 10
    革命国家イラン、世襲への転落が招く「静かな崩壊」
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 9
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 10
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中