最新記事

感染第2波

米フロリダ州、新型コロナ感染者6日連続1万人超え カリフォルニアでは安定化の兆し

2020年7月21日(火)12時15分

米シカゴのライトフット市長は20日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、一部店舗に対する営業規制を強化すると発表した。写真は制限緩和の第4段階に移行したニューヨークの自由の女神(2020年 ロイター/CARLO ALLEGRI)

米南部フロリダ州では20日、新型コロナウイルスの新規感染者が6日連続で1万人を超えた。中西部イリノイ州のシカゴは、感染拡大防止に向けてバーなど一部店舗に対する営業規制を強化すると発表した。

一方、西部カリフォルニア州では、感染者増加に安定化の兆しが見られた。また、一時は感染の中心地だった東部ニューヨーク州では入院患者数が4カ月ぶりの水準に減少し、ニューヨーク市はコロナ制限緩和の新たな段階に入った。

カリフォルニア州のニューソム知事は、感染者数や入院者数、集中治療室(ICU)の利用数はいずれも依然増加しているものの、ここ数週間と比べて増加のペースは鈍化していると指摘した。

ただ、増加していることに変わりはないとも強調。入院者数とICU利用数が引き続き懸念材料だとし、全ての州民が感染対策をいっそう強化する必要があると訴えた。

同州ロサンゼルスのガルセッティ市長は、感染状況が改善しなければ新たな外出禁止措置を導入する考えを示した。

シカゴのライトフット市長は、24日からバーなど酒類を提供する店舗での屋内サービスや、シェービング、フェイシャルエステなどマスクを外す必要のあるサービスなどを禁止すると発表した。

同市長は声明で「これまでに見られた感染のピークに近づいているわけではないが、以前の状況に逆戻りするのは避けたい」と述べた。

ニューヨーク州のクオモ知事は、19日時点でコロナ感染による新たな死者は8人にとどまったほか、コロナ感染による総入院患者数は716人と3月18日以降で最小だったと明らかにした。

ニューヨーク市は20日、コロナ制限緩和の第4段階に移行した。第4段階では動物園や自由の女神像のほか、無観客でのプロスポーツが再開。飲食店の屋内営業は引き続き禁止される。

全米の感染状況は悪化が続いている。7月に新規感染者数がこれまでの最多を記録した州は32州に上り、15州は死者の増加数が最多を更新した。ロイターの集計によると、死者数、入院者数、検査の陽性率はいずれも上昇を続けており、少なくとも15州で入院患者が7月に入り最多を更新した。

フロリダ州は20日、新たな感染者数が1万0347人と6日連続で1万人を超えた。新たな死者は92人で、合計5183人となった。

感染拡大への対応を巡り批判を浴びているフロリダ州のデサンティス知事は前週末、検査の陽性率や新型コロナに絡む救急外来の利用はここ数週間で低下傾向にあると指摘している。

同州の教職員組合は20日、教員や生徒の健康を危険にさらすとして対面授業の再開中止を求め、デサンティス知事ら当局者を提訴した。

学校再開を巡っては、トランプ大統領が、秋に再開しなければ連邦政府の補助金を打ち切ると警告するなど圧力を強めている。

大統領はこの日、マスクをした自身の白黒写真をツイッターに投稿し、「見えない中国ウイルスを打ち負かすため、われわれは結束している。社会的距離を保てない場合はマスクをするのが愛国的だと多くの人が言うが、皆のお気に入りの大統領である私ほど愛国的な人はいない」と書き込んだ。

トランプ氏は19日にFOXニュースのインタビューで、全米でのマスク着用義務化には反対だと述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・感染防止「総力挙げないとNYの二の舞」=東大・児玉氏
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・東京都、21日の新型コロナ新規感染230人程度 13日連続で100人以上続く
・インドネシア、地元TV局スタッフが殴打・刺殺され遺体放置 謎だらけの事件にメディア騒然


20200728issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月28日号(7月21日発売)は「コロナで変わる日本的経営」特集。永遠のテーマ「生産性の低さ」の原因は何か? 危機下で露呈した日本企業の成長を妨げる7大問題とは? 克服すべき課題と、その先にある復活への道筋を探る。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中