最新記事

感染第2波

米、新型コロナ死者13万人突破・感染300万人へ NY知事らトランプの対応を批判

2020年7月7日(火)10時16分

米国の新型コロナウイルス感染症による死者が6日、13万人を超えた。経済再開に向けた動きに伴い国内の感染者は急増し、300万人に迫っている。ニューヨークで1日撮影(2020年 ロイター/LUCAS JACKSON)

米国の新型コロナウイルス感染症による死者が6日、13万人を超えた。経済再開に向けた動きに伴い国内の感染者は急増し、300万人に迫っている。

ロイターの分析によると、感染者数は国内39州で増加している。今月に入り国内16州で1日当たりの新規感染者数がこれまでの最多を更新。フロリダ州では1日当たり1万1000人と、流行が極めて深刻だった時期に欧州各国が記録した感染者数を大きく上回る。

死者数も少なくとも5州で増加に転じている。アリゾナ州では6月後半の2週間で449人が死亡し、前半2週間の259人から増加。感染者数は6月全体で300%急拡大し、国内最悪の増加率を記録した。


トランプ大統領は週末、明確な証拠を示すことなく、米国内のコロナ感染の99%は「全く無害」と主張。コロナ感染が深刻なテキサス州オースティンのアドラー市長はCNNに対し、大統領の発言は「混乱を招き、危険なメッセージ」と批判した。

メドウズ大統領首席補佐官は、トランプ大統領はコロナ感染症による死者を軽視しているわけではないと擁護。「統計を見れば、あなた方や私、私の子どもや孫が直面しているリスクが分かるはずだ。大統領は統計を適切に見極めるべきよう呼び掛けているだけだ」と述べた。

ニューヨーク州のクオモ知事は「新型コロナが存在すること、大きな問題であること、そしてわれわれがこの問題を認識してそれぞれが自分の責任を果たすまで状況が続くことをトランプ大統領は公に認めるべきだ」とし、「大統領は新型コロナの共謀者になるべきではない」と強調した。

さらに、国内の感染者増は検査拡大が要因であるとか、ウイルスは気温上昇とともに消滅するといったトランプ大統領の発言について「いずれも真実ではない。国民がトランプ大統領の発言を信じたため、約38州が問題に直面する事態となっている」と批判した。

米疾病対策センター(CDC)の試算によると、7月25日までに米国内の新型コロナ感染症による死者は14万─16万人に達する見通し。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染102人 5日連続3桁台
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新型コロナ、血液型によって重症化に差が出るとの研究報告 リスクの高い血液型は?
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200714issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月14日号(7月7日発売)は「香港の挽歌」特集。もう誰も共産党を止められないのか――。国家安全法制で香港は終わり? 中国の次の狙いと民主化を待つ運命は。PLUS 民主化デモ、ある過激派の告白。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

潜水艦の次世代動力、原子力含め「あらゆる選択肢排除

ビジネス

中国債券市場で外国人の比率低下、保有5カ月連続減 

ワールド

台湾、米国との軍事協力を段階的拡大へ 相互訪問・演

ワールド

ロシアがキーウに夜間爆撃、6人死亡 冬控え全土でエ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 5
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中