最新記事

新型コロナ対策

フロリダ州で「マスク着用令」に猛反発、過激な住民が郡議員の拘束ちらつかせる

Angry Floridians Threaten Citizen's Arrest of Official After Mask Mandate

2020年6月26日(金)14時00分
エディ・ロドリゲス

「マスク着用令」可決後に猛反発する議場の住民たち WPTV News - FL Palm Beaches and Treasure Coast/YOUTUBE

<パームビーチ郡のマスク着用命令に反発した住民が、議員の拘束までちらつかせる強硬姿勢に......>

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防策として、今週23日フロリダ州パームビーチ郡が新たに「マスク着用令」の実施を決めたところ、これに反発して怒った住民の一部が、郡議員らを拘束(常人逮捕)する強硬手段に出ようとする一幕があった。

パームビーチ郡の郡議会は、3時間に及ぶ議論と参加住民の意見聴取の後に、「マスク着用令」を決定した。しかし議会に参加した住民の多くはこの結果に不満を感じていた。何人かの参加者は、郡議員のメリッサ・マッキンリーを拘束しようと迫った。

「住民グループが議場の演壇に向かって集まってきた。このため、我々はソーシャル・ディスタンシングの指針に沿って議場から出なければならなかった。グループが議場の控え室のドアをドンドン叩いた。拘束すると脅していた。」と、マッキンリーはCNNの取材に語っている。

【ニュース動画】パームビーチ郡の「マスク着用令」に猛反発する住民たち


マッキンリーはまた本誌取材に対して、議場にはマスク着用令に反対する約50人が出席し、「マスク着用令」が可決されると彼らのほとんどが叫び声や大声を上げて反発した。

マッキンリーが議場から退室する際には、警官の警護が必要だった。「パームビーチ郡警察のおかげで乗用車まで無事に移動できた」と、彼女は語っている。

なぜそこまで反発するのか?

議場に出席した住民の多くはマスク着用令に反対していた。住民の1人は議会に対して、「(議会は)わたしを侮辱した。なぜか分かるか? 『我々、人民』の声に耳を傾けなかったからだ。自分たちで決定してしまった」

また地元ローカルテレビ局のニュース映像によると、別の住民は、「マスク着用令」に賛成票を投じた郡議員の全員が解職されるべきだ、と主張した。

またテレビ局の取材に応じた住民の1人は「自分たちはマスクに反対しているのではなく、マスク着用の命令に反対しているのだ。我々の身体のことは、我々自身が選択する」と話している。

<参考記事:米南部の感染爆発は変異株の仕業?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

パラマウント、ワーナーに敵対的買収提案 1株当たり

ビジネス

インフレ上振れにECBは留意を、金利変更は不要=ス

ワールド

中国、米安保戦略に反発 台湾問題「レッドライン」と

ビジネス

インドネシア、輸出代金の外貨保有規則を改定へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中