最新記事

北朝鮮

金正恩、政治局会議で自給自足経済訴え

2020年6月8日(月)12時23分

朝鮮中央通信(KCNA)は、北朝鮮で朝鮮労働党の政治局会議が開かれ、金正恩委員長(中央)が出席したと報じた。化学業界を含めた経済プロジェクトについて話し合われたという。写真はKCNAが7日に提供(2020年 ロイター)

朝鮮中央通信(KCNA)は8日、北朝鮮で朝鮮労働党の政治局会議が開かれ、金正恩委員長が出席したと報じた。化学業界を含めた経済プロジェクトについて話し合われたという。

KCNAによると、2日にわたる会議では「同国における自給自足経済のさらなる推進と、人々の生活水準改善に伴う重要な問題」が議題となった。

北朝鮮は韓国の脱北者団体が北朝鮮の体制を批判するビラを散布している問題で、韓国側の対応を繰り返し批判しており、南北連絡事務所や他の南北事業の廃止を警告。ただ、金委員長は政治局会議でこの問題には触れなかった。

韓国統一省は、南北連絡事務所の北朝鮮側担当が8日、2018年以来初めて、定時連絡に応じなかったと明らかにした。同省はこれまで、韓国は南北合意に引き続き従う意向で、国内の団体に北朝鮮へのビラなどの配布を禁止する法案を検討していると明らかにしている。

一方、KCNAによると、政治局会議では化学業界が「国家経済の主要な推進力」であると繰り返し強調され、金委員長は「肥料生産能力の拡大を最優先事項にする必要性を強く主張した」という。

北朝鮮経済は核開発に絡んだ国際的な制裁措置で既に打撃を受けており、新型コロナウイルスの世界的流行でさらに圧迫されている。

金委員長を巡っては一時健康不安説が取り沙汰されていたが、KCNAは、金氏が5月1日に肥料工場の完工式に出席したと報じている。

政治局会議はまた、市民の生活水準の改善に住宅建設の必要性を訴えた。

KCNAは「最高指導者は住宅建設を含め、人々の生活条件の向上に強力な措置を取ると強調した」と報じた。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染14人 2桁台7日連続
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国ではなぜ新型コロナ第2波のリスクが高まったのか
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200616issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

与野党、ガソリン暫定税率の年末廃止で合意=官房長官

ワールド

米台貿易協議に進展、台湾側がAPECでの当局者会談

ビジネス

中国製造業PMI、10月は49.0に低下 7カ月連

ビジネス

ニコン、通期業績予想を下方修正 精機事業が下振れ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中