最新記事

韓国社会

韓国、環境対策で包装材削減に向けた「セット販売禁止法」で大混乱 発表2日で撤回へ

2020年6月30日(火)19時17分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

コンビニアプリでおまけを保存?

韓国はおまけ大国だ。大型スーパーはもちろん、コンビニエンスストアでもセット販売を多く見かけることができる。

昨年それまでコンビニ業界最大手だったCUを抜き、韓国1位になったコンビニチェーンGS25では、頻繁に行われている1+1(1つ買ったらもう1つおまけでついてくる)サービス用のアプリを開発した。今2つもいらないという人は、GS25の「나만의 냉장고(私だけの冷蔵庫)」というアプリにキープしておくことができる。後日、全国どこでもGS25に立ち寄りアプリを見せれば、残りのおまけ分を貰える仕組みだ。

おまけ文化といえば、日本でも豪華雑誌付録が人気だが、韓国でもかなり昔からおまけがついていた。スマートフォンが普及する前は、マーケティング戦略としてさまざまな企業が自社商品を雑誌の付録として提供していた時期があった。化粧品などは試供品でなく一般的に販売されている商品が貰えて、ときにはドライヤーなど、雑誌本体の価格よりも数倍以上は高額なのではないかと思える豪華なおまけもついていた。

おまけがもらえるのは雑誌だけではない。食堂などに行けばメインの注文した料理以外に、パンチャンと呼ばれる数種類のおかずが付いてくることがほとんどだ。またカラオケに行くと1時間で支払いも済ませたはずなのに、混んでいないときだと受付の店員が10分ずつ勝手に延長サービスしてくれる場合もある。このように、「おまけ」は韓国人の暮らしに深く根付いているようだ。これは、サービス精神が旺盛な国民性からきているのかもしれない。

批判が強まる世論の声を聴き白紙まで戻すスピード、そしてスクープをした報道側への批判までもすべてが2〜3日の間に起きている。何をするにもパルリパルリ(早く早く)精神が息づいている韓国らしい騒動だった。

ゴミ問題は深刻であり全世界をあげて取り組んでいかなくてはいけない課題だ。今回のようなトラブルは今後も起きるかもしれないが、より良い未来を目指し、政府が率先してこのような動きに出ることで、日本でも韓国でもエコに対する国民の意識が少しずつ変わっていくことだろう。


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染54人を確認 6月の感染者998人に
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・今年は海やプールで泳いでもいいのか?──検証
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200707issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月7日号(6月30日発売)は「Black Lives Matter」特集。今回の黒人差別反対運動はいつもと違う――。黒人社会の慟哭、抗議拡大の理由、警察vs黒人の暗黒史。「人権軽視大国」アメリカがついに変わるのか。特別寄稿ウェスリー・ラウリー(ピュリツァー賞受賞ジャーナリスト)

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

北朝鮮ハッカー集団、韓国防衛企業狙い撃ち データ奪

ワールド

アジア、昨年は気候関連災害で世界で最も大きな被害=

ワールド

インド4月総合PMI速報値は62.2、14年ぶり高

ビジネス

3月のスーパー販売額は前年比9.3%増=日本チェー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中