最新記事

第2波

フロリダの新規感染者1日で最多の2000人超 アメリカに忍び寄る新型コロナ第2波

Florida Reports Over 2,000 New Coronavirus Cases For Two Consecutive Days

2020年6月16日(火)17時05分
ジェイソン・レモン

一部再開したフロリダ州のマイアミビーチで、マスクを着けるよう海水浴客に注意して歩く警察官(6月10日) Marco Bello-REUTERS

<5月初めから性急に経済再開を始めたアメリカで、新規感染者の最多記録を更新する州が相次いでいる。感染拡大は抑えられるのか>

5月初めから徐々に経済活動を再開しているフロリダ州では、新型コロナウイルスの1日の新規感染者数が6月13日と14日にいずれも2000人を超え、同州の最多記録を更新した。陽性率も過去1週間、上昇している。

6月13日、過去24時間に確認された新型コロナウイルス感染者数が2581人、14日は2016人だった。同州のこれまでの1日の最多感染者数は6月12日の1902人だった。

検査陽性率も過去1週間で上昇しており、新型コロナウイルス感染が拡大していることがうかがえる。6月7日に4.24%だった陽性率は、6月15日午前には5.4%と、1ポイント以上高くなっていた。

6月5日に、バーやレストランなどの営業が、定員の半分以内で認められたばかりだった。

フロリダ州で確認された新型コロナウイルス感染者数の合計は7万5500人にのぼる。うち1万2000人近くが入院し、2900人以上がCOVID-19によって死亡している。同州の検査実施数は140万件を超え、うち130万件以上は陰性だった。

入院数も増加

感染拡大の兆しが見えるのはフロリダ州だけではない。公衆衛生専門家は、アラバマ、アラスカ、アリゾナ、アーカンソー、カリフォルニア、ノースカロライナ、オクラホマ、サウスカロライナといった州も注視している。これらの州では、ここ数日で新規感染者の1日の増加数が最多を記録。検査の大幅な拡大により、無症状や軽症患者の確認数が増えているせいもあると見られるものの、これらの州では入院数も増加している。

医療専門家の懸念をよそに、50州すべてで外出制限の緩和が進められており、数カ月にわたる厳しいロックダウンを終えた人々が普段の生活に戻りつつある。6月15日午前の時点で、全米で確認された新型コロナウイルス感染者の総数は200万人を突破し、死者数は11万5000人を超えた。いずれも世界で最大だ。

(翻訳:ガリレオ)

<参考記事>米、新型コロナ第2波懸念強まる 一部で感染者・入院者が急増し医療ひっ迫 
<参考記事>「検査と隔離」もウイルス第2波は止められない 米専門家

20200623issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:「豪華装備」競う中国EVメーカー、西側と

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 4

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中