最新記事

感染症対策

政府専門家会議「爆発的感染の前に医療機能不全も、体制強化が喫緊」

2020年4月1日(水)19時37分

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)は1記者会見で、爆発的感染が起こる前に医療体制が機能不全に陥ることが予想され、医療供給体制の強化が喫緊の課題だと述べた。写真は都内の商業施設で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長(独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)は1日の会見で、爆発的感染が起こる前に医療体制が機能不全に陥ることが予想され、医療供給体制の強化が喫緊の課題だと述べた。

尾身副座長は、爆発的感染拡大と医療崩壊がイコールで語られることがあるものの、新規感染者数やクラスターの感染報告などの現状を踏まえると「爆発的感染が起こる前に、医療供給体制のひっ迫が起こり、機能不全に陥ることが予想される」と述べた。

現状の日本の状況は「爆発的患者急増はみられてない」としながらも、都市部中心にクラスター感染が次々と報告され、医療供給体制がひっ迫する地域が出てきており「医療供給体制強化が喫緊の課題」と指摘した。

尾身副座長は、オーバーシュートを2、3日の間に累積患者数が倍増し、そのスピードが継続して認められる場合と定義。東京都の場合、3月21日から30日までの10日間は2.5日ごとに倍増しているが、院内感染や感染源が追えている患者が含まれており「これが一過性か継続的に注視していく必要がある」とした。

(清水律子)

[東京 1日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロナウイルス拡大防止に
・新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(4月1日現在)
・東京都、都立学校の休校をGWまで延長へ 新型コロナウイルス感染拡大で


cover200407-02.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、9月米利下げ観測強まる

ビジネス

米GDP、第2四半期改定値3.3%増に上方修正 個

ワールド

EU、米工業製品への関税撤廃を提案 自動車関税引き

ワールド

トランプ氏「不満」、ロ軍によるキーウ攻撃=報道官
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ」とは何か? 対策のカギは「航空機のトイレ」に
  • 2
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 3
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 4
    トレーニング継続率は7倍に...運動を「サボりたい」…
  • 5
    「ガソリンスタンドに行列」...ウクライナの反撃が「…
  • 6
    米ロ首脳会談の後、プーチンが「尻尾を振る相手」...…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「風力発電」能力が高い国はどこ…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 10
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 10
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中