最新記事

政治家

新型コロナと戦う米政治家が大統領候補として急浮上、サンダース抜く

Cuomo Overtakes Sanders in Odds to Be Democratic Candidate

2020年3月27日(金)18時00分
ジェイソン・レモン

国家的危機の時に頼れる指導者として支持を集めるニューヨークのクオモ州知事 Mike Segar-REUTERS

<感染拡大が続くクオモNY州知事の手腕に注目が集まっている。毎日生中継される記者会見は、先の見えないロックダウンの中にいるニューヨーカーの救いだ>

ドナルド・トランプ大統領の対抗馬を選ぶ民主党の指名争いで、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事の勝利確率が民主党候補のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州)を上回った。

クオモは民主党の予備選に出馬していないが、米国の新型コロナ感染が集中しているニューヨーク州で危機対策を主導していることから、クオモに賭ける人が増えている。とはいえ、指名獲得の大本命は、依然としてジョー・バイデン前副大統領だ。

リアル・クリア・ポリティクスがまとめた最新の平均オッズによれば、クオモが大統領選の民主党候補になる確率は5.6%であるのに対し、サンダースは平均3.6%と遅れをとっている。ただしバイデンは、平均85.8%と圧倒的リードを保っている。また、今回の予備選には出馬していないものの、前回の2016年に民主党候補になったヒラリー・クリントンが平均6.3%で2位につけている。

毎日の記者会見が人気

新型コロナウイルスの感染拡大に関するクオモの記者会見は毎日多くのアメリカ人が視聴しており、国家的危機におけるクオモの明快で悪い情報も隠さない率直なアプローチに米国民が救いを見出している。ニューヨーク州は全米でもっとも大きな打撃を受けている地域でもあり、確認された感染者は3万7000人、死者は1000人を超えている。


現在、バイデンは獲得代議員数でサンダースを大きくリードしており、APの集計によれば、その差は300人を超える。最新の世論調査でも、バイデンはサンダースに対して2桁のリードを保ち、民主党予備選の投票がまだおこなわれていない州の調査でも大きくリードしているようだ。サンダースとバイデン以外には、民主党の指名争いで選挙戦を展開している候補者はいない。

だがルール上、「誓約代議員」は必ずしも、州の予備選や党員集会の結果をもとにして候補者に投票しなければいけないわけではない。めったにないことだが、誓約代議員が7月の民主党全国大会で自分の選んだ人に投票することも、厳密に言えば可能だ。だが、それが現実に起きる可能性は低い。というのも、各候補者の選対本部は、自分たちの誓約代議員について発言権をもつからだ。忠実だとは信用できない代議員を、選対本部が選ぶとは考えにくい。

<参考記事>「アメリカの医療システムは新型コロナの津波に呑み込まれる」(ニューヨーク州知事)
<参考記事>感染爆発の最前線、医療崩壊の「必然」に挑むニューヨーク

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで

ビジネス

米3月建設支出、0.5%減 ローン金利高騰や関税が

ワールド

ウォルツ米大統領補佐官が辞任へ=関係筋

ビジネス

米新規失業保険申請1.8万件増の24.1万件、2カ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中