最新記事

女性問題

韓国史上初の「メガネアナ」、今度は朝のニュースで「ノーブラ・チャレンジ」

2020年3月3日(火)20時50分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

好みのブラを聞かれたイム・ヒョンジュ・アナが選んだのは…… MBClife / YouTube

<眼鏡をかけてニュース番組に出演し話題を呼んだ韓国の美人アナが、朝のニュース番組にノーブラで出演、その理由は──>

2月中旬、韓国の地上波TV局MBCのイム・ヒョンジュ・アナウンサーが、ブラジャーを着用しない、いわゆる「ノーブラ」の状態で朝の報道番組『生放送 今日の朝』に出演したことが大きな波紋を呼んでいる。

イム・ヒョンジュさんは、放送終了後、自身のSNSに「私がノーブラで出演したって事実を知って、女性共演者たちがとても喜んでくれた。想像もできなかった事が現実になったことに、驚きと歓びが入り混じった気分です」と書き込みをし、視聴者を驚かせた。

イム・ヒョンジュさんがブラジャー未着用で番組に出演したのには理由がある。その答えは、2月13日にMBCで放送されたドキュメンタリー番組『シリーズM』に隠されていた。この日の番組のテーマは「人にブラジャーは果たして必要なのだろうか?」。

イム・ヒョンジュさんら3人の女性はノーブラになってもらう一方、反対に3人の男性たちにはブラジャーを着けてもらい、その不便さや締め付けを体験してもらうなど、ブラジャーについて様々な試みを紹介していた。その一環で、イム・ヒョンジュさんは「ノーブラチャレンジ」に参加したのである。

実は、イム・ヒョンジュさんの行動が注目されたのは今回が初めてではない。2018年4月に報道番組『MBCニュースデスク』で、女性アナウンサーとして初めて眼鏡をかけて登場、ニュースを読んだことが大きな話題となった。

彼女が行動を起こしたのは、「なぜ男性アナウンサーは眼鏡をかけてテレビに出ているのに、女性キャスターは眼鏡をかけないのか?」ということに疑問に感じ、女性アナウンサーは眼鏡禁止という固定観念と崩したかったからだという。

これまで、長い間そうだったために、いつの間にか当たり前の事として受け入れていたことが、実はとんでもない差別行為だったという事例は今なお日常にたくさん潜んでいる。彼女は、そういう疑問に対して行動を起こすことで気づかせてくれた。

眼鏡といえば、昨年日本でも同様の問題提議がされた。日本では、接客業を中心とした一部の企業で、女性に仕事場での眼鏡を禁止しているところが存在する。しかも、その理由が「眼鏡は華やかに見えないから」「眼鏡をかけているとお客様に失礼」などであり、そのなかには、女性社員のみ禁止しているという奇妙なルールを規定している企業もあった。この理不尽さを疑問視する声がネットを中心に多く集まった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ゴールドマンとBofAの株主総会、会長・CEO分離

ワールド

日米の宇宙非核決議案にロシアが拒否権、国連安保理

ビジネス

ホンダ、旭化成と電池部材の生産で協業 カナダの新工

ビジネス

米AT&T、携帯電話契約者とフリーキャッシュフロー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中