最新記事

感染症対策

オーストラリア五輪委、東京五輪1年延期を前提に選手へ準備を呼び掛け

2020年3月23日(月)17時35分

オーストラリア五輪委員会(AOC)は、同国の選手は2021年夏の東京五輪に向け準備すべきだとの認識を示した。写真はシドニーで2017年5月撮影(2020年 ロイター/DAVID GRAY)

オーストラリア五輪委員会(AOC)は23日、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年の東京五輪に向けて選手を招集することができないとした上で、選手たちは開催が21年に延期されることを前提に準備すべきだとの認識を示した。

AOCのキャロル最高経営責任者(CEO)はIOCの助言を待たずに決断したと説明。シドニーで記者団に対して「オーストラリア並びに世界の他の地域における(感染拡大の)状況を踏まえ、いま決断する必要があった。しかし、IOCはいまだに最終的な決定について検討を行っている段階だ」と述べた。

また、この決定は選手らに「確実性」を与えるとし、五輪の2021年までの延期に向けた機運を醸成するとの見方を示した。

AOCは同日の声明で、この決定は「選手の健康を第一に考え、選手とスポーツのために最善を尽くすという(IOCの)基本原則を反映している」と述べている。

国際オリンピック委員会(IOC)は22日、新型コロナの感染拡大を受け、7月24日から開催予定の2020年東京五輪について延期も含めた対策を検討すると発表。

これを受けてカナダも22日、20年東京五輪に選手団を派遣しない方針を示した。

延期を求める声が相次ぐ中、安倍晋三首相は23日、参議院予算委員会で、東京五輪について「完全な形での実施が困難な場合、延期の判断を行わざるを得ない」と認めた。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・全米の新型コロナウイルス感染3万3000人超える 3州が新たに外出禁止令
・インドネシア首都は「非常事態」? 新型コロナめぐり在留邦人に緊張と混乱
・新型コロナ対策、「日本式」の特徴と評価


20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中