最新記事

2020米大統領選

米民主党ニューハンプシャー州予備選はサンダースが勝利 バイデン再び苦戦

2020年2月12日(水)16時15分

11月の米大統領選に向けた民主党候補者選びの第2戦となるニューハンプシャー州予備選は、サンダース上院議員(写真)が勝利し、最有力候補としての地位を固めた。バイデン前副大統領は初戦のアイオワ州に続き苦戦を強いられた。写真はニューハンプシャーで11日撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)

11月の米大統領選に向けた民主党候補者選びの第2戦となるニューハンプシャー州予備選は、サンダース上院議員が僅差で勝利し、最有力候補としての地位を固めた。バイデン前副大統領は初戦のアイオワ州に続き苦戦を強いられた。

前週のアイオワ州党員集会でサンダース氏を僅差で振り切って首位となった前インディアナ州サウスベンド市長の穏健派ブティジェッジ氏は、ニューハンプシャーで2位につけた。両陣営とも集計で混乱があったアイオワ州の一部の結果について再点検を要請している。

前週末の民主党討論会を有利に進め、勢いづいたクロブシャー上院議員も善戦し、3位になったとみられる。

最有力候補と目されてきたバイデン氏は5位にとどまった模様。アイオワ州での4位に続く不調な結果に終わった。同氏はサウスカロライナ州で支持者らに「まだ終わっていない。始まったばかりだ」と強調した。

サンダース氏と同じ急進派のウォーレン上院議員は、3カ月前はニューハンプシャー州で勝算があると予想されていたが、結果は4位とふるわなかった。

サンダース氏はニューハンプシャー州マンチェスターで支持者らに「今夜の素晴らしい勝利についてニューハンプシャーの人々にお礼を言いたい」とし、「ここでの勝利は、ドナルド・トランプ(米大統領)の終わりの始まりだ」と述べた。

急進左派のサンダース氏について対立候補らは、民主党候補者に指名されても、11月の大統領選で共和党のトランプ大統領に勝つことはできないとけん制してきた。

ブティジェッジ氏の演説の様子がスクリーンに映し出されると、サンダース氏の支持者からは「ウォール街のピート(・ブティジェッジ氏)だ」との声が上がった。

世論調査によると、ブティジェッジ氏は民主党の有力な支持基盤となっているアフリカ系米国人の支持率が低いという問題を抱えている。

ブティジェッジ氏は政治の二極化と民主党の内紛を批判。ニューハンプシャー州ナシュアで支持者に対し「一部の人間は、革命か現状維持のどちらかを選ぶよう訴えている」と非難した。

ウォーレン氏も戦いはまだ終わっていないとし、党の団結を訴えた。

今回のニューハンプシャー州の予備選には、ブルームバーグ前ニューヨーク市長は参加していない。ブルームバーグ氏は、予備選が集中する3月3日の「スーパーチューズデー」まで州の予備選には参加しない予定。

同氏は選挙広告に巨額の私財を投じており、世論調査で支持率が上昇している。カリフォルニア州やテキサス州といった大票田での勝利を目指している。

民主党の候補者絞り込みも始まっており、アジア系実業家のアンドルー・ヤン氏とマイケル・ベネット上院議員が選挙戦からの撤退を表明した。米CBSは、元マサチューセッツ州知事のデュバル・パトリック氏が12日に撤退する見通しだと報じた。

*内容を追加します。

[マンチェスター(米ニューハンプシャー州) ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200218issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月18日号(2月12日発売)は「新型肺炎:どこまで広がるのか」特集。「起きるべくして起きた」被害拡大を防ぐための「処方箋」は? 悲劇を繰り返す中国共産党、厳戒態勢下にある北京の現状、漢方・ワクチンという「対策」......総力レポート。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エアバス、11月の納入数が減少 胴体パネル問題で

ワールド

台湾最大野党主席、中国版インスタの禁止措置は検閲と

ビジネス

ドイツ景気回復、来年も抑制 国際貿易が低迷=IW研

ワールド

台湾、中国の軍事活動に懸念表明 ロイター報道受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 7
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 8
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 9
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中