最新記事

新型肺炎

新型肺炎、中国の死者41人に 米国63人が検査対象、仏2人の感染確認

2020年1月25日(土)09時31分

中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大している。写真は24日、カナダのバンクーバー国際空港で撮影(2020年 ロイター/Jennifer Gauthier)

中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大しており、保健当局によると、24日時点で湖北省では新たに15人が死亡した。これで新型肺炎による中国国内での死亡者数は41人に達した。湖北省で確認された新たな感染者は150人に上る。

米疾病対策センター(CDC)も同日、米国内で2人目の感染者を確認したと発表。新たな感染者は武漢を旅行した60歳の女性で、シカゴで確認された。昨年12月に武漢を訪れ、1月13日に米国に帰国したという。シカゴ当局によると、この女性は現在シカゴ市内の病院に入院しており、容態は安定しているという。

CDCはまた、現在米22州で63人が検査対象となっていることを明らかにした。うち11人は陰性が確認されたという。

米国では21日にも、ワシントン州で中国に渡航した男性が新型肺炎に感染したことが確認されている。

米共和党のジョン・バラッソ上院議員は保健当局者による議会のブリーフィング後、米国で確認された患者が最長14日前に中国で新型コロナウイルスに感染した可能性があると語った。

フランスでもこの日、新型肺炎の感染2例が確認された。欧州で初のケースとなる。

同国のビュザン保健相によると、感染者の1人はパリ市の病院に、もう1人は南西部ボルドー市の病院にそれぞれ入院しているという。

ボルドーでの感染者は48歳の男性で、2日前に中国から帰国。中国では武漢も訪れたという。パリの感染者に関する情報は現時点で明らかになっていない。

政府系地元紙の長江日報によると、感染の「震源地」とされる武漢では、新型肺炎の患者に対応するため、ベッド数1000床の病院の建設が進められている。

プレハブのため建設ペースは速く、週明け27日にも患者受け入れの用意が整う見通し。

新型肺炎による死者はこれまでに中国国内にとどまっているものの、感染者は他国に拡大している。米仏のほか、これまでに日本では2人の感染者が確認されている。そのほか、タイ、ベトナム、シンガポール、韓国、台湾、ネパール、香港でも感染例が報告されている。

世界の空港では中国からの旅行者に対するスクリーニング検査を強化している。中国国内では春節に伴う連休で多数の中国人が移動すると見込まれることから、北京市では紫禁城や雍和宮などが閉鎖されたほか、25日からは万里の長城の一部も閉鎖される。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200128issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月28日号(1月21日発売)は「CIAが読み解くイラン危機」特集。危機の根源は米ソの冷戦構造と米主導のクーデター。衝突を運命づけられた両国と中東の未来は? 元CIA工作員が歴史と戦略から読み解きます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続伸、ハイテク株高が消費関連の下落を

ビジネス

NY外為市場=円安急進、日銀が追加利上げ明確に示さ

ワールド

ベネズエラ情勢巡る「ロシアとの緊張高まり懸念せず」

ビジネス

米11月中古住宅販売、0.5%増の413万戸 高金
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中