最新記事

日本政治

安倍首相、韓国を「最も重要な隣国」 施政方針演説で3年ぶりに復活

2020年1月20日(月)14時20分

中東に自衛隊派遣、船舶の安全確保

中東地域については、「緊張の高まりを深く憂慮する。わが国は全ての関係者に、対話による問題解決と自制的な対応を求める。これまで培ってきた中東諸国との友好関係の上に、この地域の緊張緩和と情勢の安定化のためにこれからも、日本ならではの平和外交を粘り強く展開する」と表明。「エネルギー資源の多くをこの地域に依存するわが国として、こうした外交努力と併せて自衛隊による情報収集態勢を整え、日本関係船舶の安全を確保する」と述べた。

憲法改正は歴史的使命、社会保障改革は先送りせず

演説の最後には、「国の形を語るもの。それは憲法だ。未来に向かってどのような国を目指すのか。その案を示すのは、私たち国会議員の責任ではないか。新たな時代を迎えた今こそ、未来を見つめ、歴史的な使命を果たすため、憲法審査会の場で、共にその責任を果たしていこうではないか」と呼び掛けた。

社会保障では「年金受給開始の選択枝を75歳まで広げる。在職老齢年金についても、働くインセンティブを失わせることのないよう見直しを行う」、「75歳以上であっても一定以上の所得のある方には、窓口での2割負担を新たにお願いする」と強調。

さらに「社会保障をはじめ、国の形に関わる大改革を進めていく。令和の新しい時代が始まり、オリンピック・パラリンピックを控え未来への躍動感にあふれた今こそ、実行の時だ。先送りでは、次の世代への責任を果たすことができない」と強調した。

財政健全化に関しては、「経済再生なくして財政健全化なし。この基本方針を堅持し、引き続き、2025年度のプライマリーバランス(PB、基礎的財政収支)黒字化を目指す」と述べた。

(竹本能文 編集:田中志保、高木匠)

[東京 20日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続落で寄り付く、米中摩擦懸念が再燃 一時

ビジネス

サブプライム融資プライマレンド、米破産法の適用申請

ワールド

米がロシア石油大手2社に制裁、即時停戦要求 圧力強

ワールド

ルビオ米国務長官、今週イスラエル訪問 26─30日
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中